表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Leap  作者: Yuzuru
2/2

運命の前日

 秋風に吹かれながら歩く下り坂。

 寒さも厳しくなり、マフラーと手袋は必需品だ。


「これも買ったし、これも買った。よし、あとは家に帰るだけだ」


 メモアプリに記した今日の買い物リストに全てチェックを入れて、手にしたスマホで現在時刻を確認する。


「もう20:00か……」


 時間が経つのを忘れていたことに今更気づきながら、数分前に立ち寄ったコンビニで買ったお菓子を食べる。

 ポテトチップスのしょっぱさが口いっぱいに広がり、口に運ぶ速さが加速した。


 プルルルル……


 突然と鳴った電話の主は妹だった。


「もう! お兄ちゃんどこほっつき歩いているの! いいから帰ってきなさい!」


 怒り半分でかかってきた電話に驚きつつ、返事をする。


「分かった分かった。今帰るから! ていうかお前どうしてそんなに怒ってるんだよ」


 疑問を返しつつポテトチップスをレジ袋に戻し、早歩きで自宅に向かう。


「はぁ〜、もう忘れちゃったの? 明日は優沙さんの命日だよ! こっちは準備がたくさんあって忙しいんだからお兄ちゃんも手伝ってよね!」


 笹森優沙(ささもりゆさ)

 その人は俺の人生の中で最初で最後の彼女だった人だ。

 3年前に不慮の事故で亡くなってしまい、それからというものの僕の胸にはぽっかり穴が空いてしまった。


「知ってるよ。俺も買い物が終わったところだからすぐ帰る」


「じゃあ気をつけてね。バイバイ」


 プー……プー……プー……


 早々と切られた通話を終了させ、マフラーを巻き直す。


「もう……3年も経ったんだな」


 天に向かって呟くと、雨が降り出した。

 何かを知らせるかのように。

一読大変有難うございます。

取り戻せなかった青春や過去の恋愛をテーマにして書きました。

拙い文章ですが、これからもよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ