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第4話 可愛いなあ・・・

 こうして、お互い抱き合いながら泣いた後。


 恵(歩)は、優太を自分のベッドに上げてやった。




 「気持ち良いよ、お姉ちゃん・・・」




 恵(歩)は、ベッドの(ふち)に座っており。


 また優太の方は、布団の中に半分体を入れた状態で。

恵(歩)の座った足の太股に、頭を乗せていた。


 要するに優太は、布団に入ったままで。

恵(歩)に、膝枕をされていたのだ。


 そして、まるでトロける様な声で、姉に甘えていたのである。




 「くすくすくす・・・」




 恵(歩)が、右手で優太の頭を撫でていた。


 頭を撫でながら、自分に甘えている優太を見て笑っている。





 「ホント、優ちゃんは可愛いねえ・・・」


 「お姉ちゃん?」




 今まで優太を、呼び捨てで読んでいた恵が。

急に、優太を"ちゃん付け"で読んだ。




 「どうしたの、優ちゃん?」


 「ううん、何でも無いよ」




 まるで人が変わったように(実際、中身が変わっているが)。

優しくなった姉に、優太が違和感を持ったが。

別にそれが、悪い事には思えなかったので、言うのを止めた。




 「(スーッ、スーッ)」




 恵(歩)が、優太の頭を撫で続けている。


 優太の髪は、まるで女の子の様に滑らかなので。

撫でると、とても気持ち良い。


 その感触を感じながら、撫でていると。




 「お姉ちゃんの手は、ヒンヤリしてるね・・・」


 「ごめん、冷たかった?」


 「ううん、ヒンヤリして気持ちが良いよ・・・」




 優太が気持ち良さそうに、そう言った。



 ・・・



 「でも、お姉ちゃんの冷たい手は好きだなあ・・・」




 ぽつりと、優太がそう(つぶや)く。




 「どうして?」


 「だって、手の冷たい人は優しい人だから。

お姉ちゃんは、手が冷たいけど、今まで僕にはキツかった。

でも今日、僕に優しくしてくれたから、その通りだね・・・」




 優太が、おもむろに上を向き。

それから恵(歩)を見詰めながら、そう言った。




 ”きゃー、この子可愛いーー!”




 恵(歩)を見詰める、優太の顔はとても可愛かった。


 ただ可愛いだけで無く。

恵(歩)を信頼し切った様な瞳で、見詰めていた。


 そんな優太を見て。

恵(歩)が、心の中で叫びながら身震いをする。


 元々から、可愛い物好きであった歩が。

恵の体に乗り移った為、感情が女性寄りになっていたのである。



 なので、可愛い優太を見ていて。

恵(歩)が再び、優太を抱き締めたくなってしまう衝動に襲われた。


 ただ先ほどのは、謝罪と感謝の抱擁であったが。

今度のは、優太を愛玩(かわいがり)の対象としての抱擁である。




 「優ちゃん」


 「?」




 恵(歩)が、優太の両頬を挟むように持ったら。

その状態で、優太の体を起こし。


 次に、優太の頭を自分の胸に抱き締める。




 「お、お姉ちゃん!」


 「優ちゃんは可愛い〜」




 突然、また抱き締めてきた恵(歩)に優太が困惑した。


 なぜならば、今度の抱擁は。

優太の顔が、恵(歩)の胸の谷間に完全に埋もれる様、抱き締めたのだから。




 「優ちゃん〜」


 「(すりすりすり)」


 「ちょ、ちょっと、お姉ちゃん・・・」




 優太を抱き締めていた恵(歩)が、胸から頭を引き抜くと。

今度は、頭に頬ずりをし始める。




 「(すりすりすり)」


 「・・・」




 そんな甘々な姉に、とても困惑する優太だった。



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