第26話 遊園地に行く
それからしばらく経った、ある日曜日。
「すー、すー」
優太は、今日も恵のベッドで寝ていた。
「(パタン・・・)」
そんな中、そ〜と部屋のドアが開き、恵が入る。
恵は、部屋に入るとまだ寝ている優太を見て。
「もお〜、いくら今日は日曜日で、寝る子は育つって言っても。
今日の約束、忘れてるんじゃないの〜」
気持ち良く寝ている優太に、呆れていた。
”でも、いい顔で寝ているねえ〜、可愛いなあ〜♡”
しかし、恵(歩)は可愛い優太の寝顔を見ている内に、顔を緩める。
「そんな子には、おしおきだぞぉ〜♪」
だが、そう言った恵の笑みは、小悪魔の笑みであった。
それから、ユックリと寝ている優太の近付き。
優太の傍らに座る。
優太の傍らに座った後、優太の顔に手を伸ばし、鼻を摘んだ
「ふんごっ・・・」
突然、鼻を摘まれた優太が変な声を出した。
そんな優太を可笑しそうに見ると。
次に、優太の口を唇で塞ぐ
「・・・」
「・・・ん」
「・・・」
「ぷっはあ・・・、はあ・・・、はあ・・・」
そうなると当然、窒息した優太が飛び起きる事になる。
「もお〜、お姉ちゃん、酷いよお姉ちゃん〜」
「くすくす、いつまでも寝ている優ちゃんが悪いんだぞ〜♪」
そう、優太が文句を言うけど。
恵は、笑いながら答えた。
「ねえ、いま口を塞いだのは・・・」
「うん、お姉ちゃんの唇でね〜」
「そう・・・」
そうニコやかに言った、恵の言葉を受け。
優太が、呆然としていた。
まさかの、起きがけの不意打ちキスに。
驚いた優太であった。
*********
「行こうか、優ちゃん」
「うん〜♪」
朝食を取った後、準備を済ませた二人が。
機嫌良く、玄関を出発した。
・・・
今日は、二人きりで、遊園地で遊ぶ予定である。
母親は、いつもの様に仕事で留守だった。
そう言う理由があったので。
今日、日曜日であるのに、恵が優太を早く起こそうとしたし。
また、まだ寝ている優太に、ご立腹であったのだ。
「何とか、良い天気になったね」
「そうだね、お姉ちゃん」
恵がそう言って、空を仰ぐ。
優太もそれに応じて、答えた。
ここ数日、余り天気が良くなかったので。
二人とも心配していたが、どうやら天気が回復したみたいだ。
恵が優太を見て、手を差し伸べる。
今日の恵は、白のプリントTシャツに白いブルゾン。
それから、チェックのキュロットと、足元はグレーのシューズと言う。
清潔感が溢れた、出で立ちである。
その差し出された恵の手を、優太が握った。
一方、優太の方は、白のシャツに紺のジャケットと、折り目がついた紺のハーフパンツと言う。
一見すると、良い所のお坊っちゃんと言った姿であった。
「時間が来るから、少し急ごう」
「うん」
二人はそう言いながら、手を繋いで歩いている。
こうして恵と優太は。
手を繋ぎながら、上機嫌で駅まで向かったのである。