第19話 一緒に寝る?
「(ゴ〜〜〜ッ)」
「お姉ちゃん、どお?」
「良いよ〜、優ちゃん」
恵から髪を乾かしてもらった優太が。
今度は、恵の髪を乾かしていた。
流石に、そのままでは、優太の背が足りないので。
二人は、脱衣所から居間に向かい。
恵がソファーに座った状態で、乾かしていたのである。
「(ゴ〜〜〜ッ)」
「そうそう、一ヶ所に集中させないようにしてね〜」
優太が一生懸命、恵の髪を乾かしている。
恵は、そんな優太が、とても可愛いらしく見えた。
・・・
「お姉ちゃん・・・、とても綺麗な髪だね・・・」
「ありがとう〜♪」
恵の髪が乾いた後でも、優太はなぜか、恵の髪をイジっていた。
恵も、自分の髪を滑る、優太の手の動きを楽しんでいる。
優太は、滑らかで綺麗な姉の髪を撫で回していると。
いい匂いがするのだろうか、時折、手を止めて匂いを嗅いでいた。
そうやって、優太は姉の髪をイジり。
恵は、優太に髪を触らせていたのであった。
*********
しばらく居間で寛いだ後。
二人は、恵の部屋へ向かう。
「ねえ、優ちゃん、今日も一緒に寝る?」
「うん♪」
「じゃあ、行こうね」
いつもの様に、恵がそう尋ねるたら。
優太が、機嫌良く返事をする。
優太の返事を聞いてから、二人は恵の部屋に向かったのである。
・・・
「さあ、おいで」
「うん」
部屋に入ると、恵が先にベッドに入り。
それから、脇を空け、布団をめくり優太を呼んだ。
それを見た優太が、見えない犬耳を立たせ、見えない犬尻尾をブンブン振り回しながら。
まるで、子犬のように嬉々(きき)としながら、ベッドへ駆け寄って行く。
「お姉ちゃん〜、へへへっ」
「くすっ、優ちゃん可愛い♡」
ベッドに入ると、優太は恵に抱き付く。
そして、恵もそんな優太を抱き締めていた。
「お姉ちゃん、お姉ちゃんって良い匂いがするね。
それに柔らかいし」
優太が、そう言って恵の胸に顔を埋める。
「優ちゃんは、暖かくて気持ち良いね」
恵が、優太の子供らしい。
体温が高い体を抱き締めながら、そう言った。
「・・・ねえ、お姉ちゃん。
もっと、撫でてぇ・・・」
恵が、優太を抱き締めながら、背中を撫でていたら。
夢を見るような声で、優太が更なる愛撫を要求してきた。
「もお〜、優ちゃんは甘えん坊なんだから」
しかし、そう言いながらも、満更でもない恵は。
抱き締める腕に力を入れ、撫でる手の動きがネットリとした動きになる。
「・・・お姉ちゃん」
ネットリとした動きになった手の動きを受け。
優太が、ポツリと夢見るような声で呟いた。
・・・
「すー、すー」
恵が抱き締めている内に、いつの間にか眠っていた。
「おやすみなさい、優ちゃん・・・」
「(チュッ)」
眠っている優太に、そう言葉を掛けると。
優太の頬にキスをした後、恵も眠りに着いた。
こうして、ブラコン・シスコン姉弟の一日が終わったのであった。