第16話 夜のひととき
こうして、恵による甘い拷問(笑)を受けた優太は。
夕食を終えると、恵と一緒に後片付けをしていた。
「はい、お姉ちゃん」
「ありがとう、優ちゃん」
「(チュッ)」
洗い物をしていた恵の所に、優太食器を持って来た。
手が濡れているので、頭を撫でられない恵は。
代わりに、優太の頬にキスをした。
キスをされた優太は、ニコやかに笑う。
しかし、キス魔だけあって、何かに付けて良くキスをする恵である。
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後片付けを終えた二人は、居間で寛ぐ。
「(なでなでなで)」
居間で二人は、ソファーに並んで座っていた。
そして、優太はTVを見ながら恵に寄り添っている。
そんな優太に恵は、寄り添っている優太の頭を胸に抱き寄せ。
撫で心地の良い、優太の頭を撫でていた。
「お姉ちゃん、気持ち良いよお・・・」
「ふふふっ、お姉ちゃんも、気持ち良いよ」
優太は背後に感じる、恵の柔らかい膨らみと。
頭を滑る手の滑らかさの心地良さに、思わずウットリとし声を出し。
恵も、優太の撫で心地の良い、優太の頭の感触に満足していた。
一応、二人ともTVを見ていたが。
お互いに、相手の感触に集中していたので、内容が全く頭に入らなかったのである。
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そうやって二人とも、ソファーでマッタリしていたら。
「ねえ、優ちゃん」
「・・・なあに、お姉ちゃん?」
「このままじゃあ、キツくない?
お姉ちゃんの膝の上に、頭を乗せなさい〜」
「(コクッ)」
不意に、恵がそう言った所、優太が無言で頷く。
そして優太が、ユックリと恵の太股に頭を乗せた。
「(フルフルフル)」
「んっ!」
優太が頭を乗せたら、急に太股の感触を確かめるかの様に。
頭を、左右に振る。
すると、恵が突然、体を震わせた。
「もお、くすぐったいよ〜、優ちゃん」
「ごめんね、お姉ちゃん♪」
イキナリの優太の行動に、くすぐったさの余り、体を震わせた恵が。
そう言いながら、優太の頭に指先で”ペチン”と軽く叩く。
しかし、優太が一応謝るが、余り悪いことをした様には見えない。
「そんな事をする悪い子には、こうだ〜」
恵が、そう言いつつ、急に体を曲げて、優太の頭に覆い被さる。
上を向いた優太の顔に、自分の胸を押し付けたのである。
「ふがふがふが」
顔を押さえ付けられた優太が、もがいた。
「どうだ〜、参ったか〜」
「ふがふがふが(ゴメンなさい、ゴメンなさい)」
顔を押さえ付けられて窒息している優太が、必死で謝る。
「もお、お姉ちゃん〜、苦しかったよお〜」
「ふふふっ、自業自得だよ〜」
やっと新鮮な空気を確保した優太が、姉に文句を言うが。
恵は、笑いながら受け流す。
・・・
「(スーッ、スーッ)」
「(なでなでなで)」
それから後は、優太はおとなしく恵の膝枕に頭を乗せ。
恵は、優太の髪を梳ったり、頬を撫でたりしていた。
こうして、二人は居間のソファーで、マッタリしながら過ごしていたのだった。