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第1話 悩み続けた少年

はい、獅子丸です。

久しぶりの方は、お久しぶりです。

始めての方は、はじめまして。


今回の作品は、TS+おねショタ+溺愛の、三点セットの話です。


いつもながらのチラシの裏ですが、どうかご覧になって下さい。

 「はあ〜」



 

 朝のラッシュ時間。

ある駅のホームの端で、学生服を着た少年が。

ベンチに座って、溜め息を付いていた。


 少年の名前は向山(むこうやま) (あゆむ)、高校一年生。


 歩は、憂鬱(ゆううつ)だった。


 それは昔からであるが、最近特にその感が強くなった。




 「なぜ、他人を押しのけて生きて行かないとイケナイんだろう。

僕は、みんなと、和気あいあい仲良くしたいのに・・・」




 歩は、他人と争うことが嫌いで。

誰とでも、仲良くししたかったのだが。

ナカナカ、そんな生き方が出来なかった。




 「誰かと争うより、綺麗な美しい空を眺めたり、美しい花を見たり。

可愛い物に囲まれたいんだけどなあ・・・」




 歩は昔から、花などの綺麗な物を見て、ウットリしたりする事が多く。

明らかに、普通の男子とは違う感性、好みをしていた。


 それだけでなく、自分の体にも違和感を持ち続けていたが。

そんな事を他の人間に話す事は出来ないので、自分の心の中に押し殺していたのであった。




 「はあ、もうそろそろ行かないと・・・」




 ホームにある時計を見ると、そろそろ目的の電車が来る時間だ。


 憂鬱の気分を抱えつつ、歩がベンチから重い腰を上げた。




 *********




 立ち上がった歩が、乗車口の列に並ぼうとする


 丁度、電車が駅に入る所なので。

ホームの端に居た歩が、ホームの白線に沿って、足を早めた。




 「(ドン!)」


 「トロトロ歩いてたら、邪魔よ!」




 突然、歩が誰かに当たる。


 それと同時に、罵声(ばせい)が飛んだ。


 歩がその声がした方向を見たら、そこの一人の女の子が居た。


 女の子はセーラ服を着た、見た所、同学年の娘の様だ。


 しかも女の子は、切り揃えた前髪と背中までの長い髪に、整った顔立ちをしており。

一見すると、清楚そうな美人であった。




 「何、ジロジロ見ているんだよ! キモいからあっちに行けよ!」




 しかし女の子が、その外見から考えられない様な罵声を。

猛獣の様な目で、歩を(にら)みつけながら浴びせかけた。


 そしてその娘は、歩を(ののし)った後、慌てて立ち去ろうとする。




 「(こんな娘と、僕が入れ替われば良いんだけどな・・・)」





 そんな女の子を見て、歩がそう思った。


 最近は、女の子とは思えない程、凶暴で柄が悪い()が多いので。

そんな娘と入れ替われば良いのにと、歩は度々(たびたび)、そう思っていた。




 「あああーーーー!」




 その女の子が、慌てた所為(せい)か、何かに(つまづ)いて転びそうになる。


 しかし悪い事に、場所がホームの白線付近だったので。

そのまま、ホームに突っ込み、中に落ちそうになった。




 ”ファーーーーーン!”




 更に悪い事に、丁度、電車がホームに入る所でもあった。


 電車が警笛を鳴らしたが、当然、すぐに止まれる訳では無い。


 電車の警笛に気付いた、ホーム中の乗客が凍り付く。




 「(あ、危ない!)」




 そんな中、歩は咄嗟に駆け寄り、落ちようとした女の子を捕まえようとしたが。

もう、ホームに落ち始めたので、捕まえる事が出来ない。


 もう捕まえられないと判断した歩は。

今度は、落ちて行く女の子を押して、反対側のホーム側に突き飛ばそうとした。




 「ドン!」


 「ぎゃーーーーああ!」




 女の子と突き飛ばし、何とか反対側のホームに送る事が出来たが。




 「わああああっーーー!」




 今度は、歩がホームに落ちて行く。




 「(ドスン!)」




 そして、歩が落ちると。




 ”ギギギギーーーーーーーー!”




 電車のブレーキ音と共に。

全身に、かつて感じたことが無い強烈な痛みが、歩を襲う。


 それと同時に、歩の視界がブラックアウトし、意識が途切れてしまった。

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