約束を守らないスティーブと金を払わないデビン 証果を得られないなら報いを受けさせろ
今回で最終回。ほぼレビュー感想になりますが、もうしばらくお付き合いを。
三蔵法師一行は天竺への取経の旅に出る。だが、艱難辛苦の贖罪の旅というわけでなく、ちゃんとご褒美も用意されている。
彼らは旅の功績により証果を得る。(証果とは仏教用語で悟りを得ること)
三蔵法師は栴檀功徳仏、孫悟空は闘戦勝仏、猪悟能は浄壇使者、沙悟浄は金身羅漢となる。
これで『西遊記』はめでたしめでたし幕となるわけである。
『十二冒険者』を書いている身として話が横道に反れてもこれは書かせてもらうが、『桃太郎』や『オズの魔法使い』にも共通していてただ働きはしないのだ。
『桃太郎』の家来の動物たちはキビ団子をもらっているし、鬼を退治して宝物を持ちかえっている。
たまにキビ団子ごときで鬼退治をさせたと野暮なことを言う人がいるので追記しておくが、鬼をも殺せる神々が人間の作ったお金など現世的富を有難がったりしないからな。
『西遊記』でも太宗皇帝は冥王に瓜を送っている。
だから賽銭箱に現世利益を求めて小銭を入れる人がいるが、あんなものは無意味だからやめたほうがいい。断言する。賽銭箱に入れた金は神仏の下には届かない。その賽銭箱を設置した人間とずる賢い賽銭泥棒のものになるのだ。
あんな貯金箱を本当に信じて銭を投げ込んでいる人がいるので老婆心ながら言わせてもらう。賽銭箱に金を入れるなら、その賽銭箱を置いた寺社仏閣の教えを実践したほうがいい。
『オズの魔法使い』の案山子、ブリキの木こり、臆病なライオンは西の悪い魔女を倒した見返りに(倒したのはドロシーだが、四人のうち誰が倒しても良いことになっていた)、オズの魔法使いからそれぞれ脳、心臓、勇気を授かるのである。そして、彼らはエメラルドの都、黄のウィンキーの国、森の動物の王になるのだ。(残念ながら案山子は失脚してしまう)
日頃、思うことだが、ブラック企業に飼いならされ心までも社畜に堕ちた人は、この古の英雄たちのスタンスを学ぶべきである。
で、GTA5の話である。
プレイ済の人ならわかると思うが、このゲームには主人公たちの邪魔をする糞野郎どもが数多く登場する。
数え上げたらきりがないので、強く印象に残った代表的な二人に話を絞る。
一人目、スティーブン・ヘインズ(以下スティーブ)。
FIB(連邦捜査局)(モチーフはFBI)の捜査官。
人望薄く不正ばかり働く悪徳捜査官なので、IAA(国際情勢局)(モチーフはCIA)にマークされていた。
しかし、このスティーブの悪事がバレてしまうと芋づる式にマイケルも逮捕され破滅してしまう。
そこでスティーブはスパイの拉致やIAAの現金輸送車の強盗など無理難題を次々とマイケルに押しつけるのだ。おまけに銀行強盗で手に入れた金を横取り。
毎回毎回、次で最後だとか抜かしながら約束は守らずろくに協力はしないし態度はでかい。こいつが登場するたびにディスプレイを叩き割りたくなる。
あげくに制御におけないトレバーをフランクリンに殺させようとするのだ。
こいつ、トレバー殺しても絶対に報酬出さないだろ。せこい男だ。
二人目、デビン・ウェストン。
資産家のくせに報酬をケチるしみったれ。フランクリンたちに高級車を盗ませるのだが、なんだかんだと屁理屈をこねて報酬を支払わない。
言ってることも意味がよくわかんないし。
おまけにマイケルを逆恨みして、やはりフランクリンに始末させようとする。
この阿呆な二人のせいでフランクリンは究極の選択を迫られる。
さて、究極の選択。
A:トレバーを殺す
B:マイケルを殺す
C:死を覚悟する
あなたは、どれを選んだだろうか。
私は迷わずCを選んだ。攻略サイトを見たわけじゃない。
この時点で私自身の中では『西遊記』とシンクロしていたし、C:死を覚悟するがちゃんと読めなかった。
私の目にはこう映っていた。
A:スティーブのパシリをして殺される
B:デビンのパシリをして殺される
C:奴らに報いを受けさせる
スティーブにしろデビンにしろ、金をちゃんと払っていれば…、約束を守っていれば…、戦利品を横取りしなければ…。
この阿呆の二人組の信用は地に落ちていた。こいつら金を払うどころか、フランクリンを始末するに決まっている。
テンションが落ちるだろうからAとBルートはやらなかった。トレバーやマイケルそしてフランクリンが殺されるなんて見たくない。
(後で知ったがフランクリンは死なずに済むらしい)
そんなことより、スティーブとデビンを殺した方がよっぽどスッキリするし世の中のためだろう。
西遊記の妖怪三人組だって、罪を帳消しにして仏にしてくれないなら天竺の旅なんて行かないのだ。
そうと決まれば話は早い。協力すれば無敵のトレバー、マイケル、フランクリンは見事に阿呆どもに報いを受けさせた。
ついでにケチなギャングとチャイニーズマフィアが何人か死んだようだ。正直、奴らのことはすっかり忘れていた。
こうして物語は彼らの邪魔者を始末してエンディングを迎える。強盗で得た大金を手にし、めでたしめでたしである。
彼らは悪党には違いないだろうが、後味の良いエンディングだった。
さて、最後まで読んでいただきありがとうございました。
『GTA5が意外と西遊記だった件』これにて完結とさせていただきます。
それでは、あなたのゲームライフがより良いものでありますように。
『Fallout4』が楽しみだぜぇ、ヒャッハー!