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沙悟浄とフランクリン・クリントン 存在感が薄い黒い人

タイトルが差別主義臭いと思う人もいるかもしれないが、素直な気持ちを文にしただけである。どうかご容赦いただきたい。


歌舞伎町に遊びに行くとキャッチに声をかけられる。女性と歩いていると特に何も起こらないが、一人で歩いているとまず捕まる。恐怖を感じる。

行ったことがある人ならわかると思うが、日本人だけでなく黒人のキャッチもいるのだ。しかもたくさん。


どちらも同じキャッチだが、あなたは日本人と黒人どちらに恐怖を感じるだろうか。答えなくていい、ここで日本人と答える人は嘘つきか、『新宿スワン』の読み過ぎか恐怖の感覚が私とはズレている。



ところで、読者は沙悟浄に対してどんなイメージを持っているだろうか。

河童が浮かんだ人。その人は沙悟浄は存在感が無いと認めたようなものである。


なぜなら……沙悟浄は河童じゃない!


中国文学史にその名を刻む『西遊記』

まさかそのメインキャラの沙悟浄が存在感が無いわけないだろうと思うだろう。『西遊記』は日本でもドラマ化され岸部シローやウッチャンが演じ、『最遊記』にいたっては滅茶苦茶かっこいい。

絵心のある淑女の中には『最遊記』の沙悟浄のあられもない姿を描いた人もいることではないだろうか。


では、『西遊記』における沙悟浄は何者なのか。


なんかおっかいない外見の黒い人である。(この辺がまた黒人のフランクリンっぽい)

玉帝を守護する捲簾大将(けんれんたいしょう)で、玻璃(はり)(石英)の器を誤って割ってしまい、鞭打ち800回のうえ下界に落とされ、週一で鋭い剣で脇腹を刺されるという意味不明な刑罰を受けている。

この仕打ち、『皿屋敷』のお岩さんも真っ青である。井戸で皿数えて恨み言ってる場合じゃない。

玻璃(はり)の器を割ってしまうことがどれだけ重い罪なのか、玉帝の口から地上の人間に理解できるように説明を求めたいところである。


偉い学者先生たちは、様々なアプローチで『西遊記』の沙悟浄を研究し成果を発表している。

幾つか紹介していこう。


・沙悟浄は水怪である

・水怪なら河童だろ

・沙悟浄は五行でいうところの土属性(水属性は猪悟能)

・沙悟浄の住む流沙河はタクラマカン砂漠

・沙悟浄の住む流沙河は水の流れる川

・沙悟浄のモデルはヨウスコウカワイルカ

・やっぱり違った、ヨウスコウアリゲーターだったわ


何だこれ。

学説までも支離滅裂である。


まず水怪なら五行属性は水だろう。しかし現実は土だ。

そして流沙河は本来は砂漠であったが、早い段階で誤解が生じて川ということになってしまったらしい。だから『西遊記』での描写も水の流れる川のようである。

なぜ誤解した? どうして砂漠と川を間違えた? 全然違うぞ。だいたい砂漠に水怪や河童がいたら変だろ。

中野美代子先生は『西遊記』を翻訳し現在もご活躍されているが、なぜ最初にイルカと言ったものがワニになってしまったのか? 全然違うぞ。


まぁ、私のような若輩者が先生方を揚げ足とりをしてもしかたがない。全部、存在感の無い沙悟浄が悪い。

沙悟浄に存在感があればこんなことにはならなかった。流沙河が砂漠か川かでもめることもないし、モチーフがはっきりしてれば中野先生も学説を変える必要はなかった。

孫悟空は猿、猪悟能は豚とはっきりしているのに、沙悟浄なんでお前だけはっきりせんのだ? 『西遊記』を読んでて沙悟浄のあまりの存在感の無さに何度か本を投げそうになった。物語の構成としては致命的である。

もし『西遊記』が未読なら、ぜひ読んで欲しい。私と同じ気持ちを味わうことになる。


さて、長くなってしまったが、沙悟浄は存在感が無いのだ。存在感の無いものを説明するのは、それがあるものを説明するよりも難しい。




やっとGTA5の三人の主人公の一人フランクリン・クリントンの話に入ることができる。

彼は貧民街の出身の黒人でギャングスターに憧れている若者である。なるほど、もうオッサンになったトレバーやマイケルに比べたら主人公向きだ。

体一つで成りあがっていく。これで一本ゲームシナリオが作れる。そうならないのがGTA5の凄いところなのだが。


フランクリン自体は沙悟浄よりずっと存在感があるし良キャラなのだ。悪友ラマ―やフェミニストの叔母デニースなど周りはアホしかいないが、その掛け合いは中々笑える。

しかし、パンチが弱い。キチガイ戦闘民族トレバーにと家庭に振り回されるマイケルと、やたらにキャラが立つ二人に挟まれてフランクリンは今一つ影が薄い。

それに悪党には違いないのだが常識人なのだ。周囲のアホたちの言動にもやや冷めた冷静な態度で接している。

乱暴な孫悟空とスケベで食いしん坊な猪悟能の間で沈黙を守る沙悟浄のようである。


そして、二人の暴走キチガイの調整役ともいえるフランクリンは物語の終盤、究極の選択を迫られる。

あちこちで悪事の限りを尽くした彼らはケチ臭い悪党どもにとって邪魔な存在になっていた。

約束を守らないクソ野郎はトレバーを、金を出し渋るしみったれはマイケルの命を狙う。

それを彼らと苦楽をともにしたフランクリンに実行させようとするのだ。


つきつけられる三つの選択肢。

A:トレバーを殺す

B:マイケルを殺す

C:死を覚悟する


はたしてフランクリンの決断は……。

だが、決断するの彼ではない。


GTA5プレイ済みの人は「?」となったかもしれない。あるいは「あぁ、そういうことね」と納得するかもしれない。その辺りのことも含めて次回へ続きます。

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