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魔法剣士レイ  作者: PP
8/8

8:そして現在

「やっと落ち着いたね、見事だったよギ家の諸君」


 ボロボロになった服装をしていた姉達だが、白いシャツを2枚程拝借してきたらしく、それに身を包んでいる。どうやら、服どころか下着すら先の戦闘で失ったようだ。


「いえ、水の精。私達は役目を果たしたまでです」

「私も、そう」


 レイは何も口に出す事は出来なかった、人が死に、姉達もボロボロにな姿になってしまったのだ。簡単に守るなんて、安全な場所に居て、いざ敵と対峙したら震えあがり、がむしゃらに魔法剣を振るう事しか出来なかった自分が悲しかった。


「王都にも借りができたな、いつか必ず礼をしよう。そしてギ家の3名にも何か礼をしたいのだが、何か希望はあるかね」


 水の精は3人に問う。通常、精が人へ贈り物をする事なんて滅多にないだけに、驚く2人。レイはそんな事もまだ知らなかったので、頭を下げたままただただ固まっていた。


 数秒の後、ミから希望の声があがる。


「もしよろしければ、土地をいただけないでしょうか」

「土地か、ならば……あそこをギ家へ礼として譲歩しよう」


 ザバンッという音が聞こえ、その方角をみるとドーム状の水の結界に覆われた区域が目視出来る。水の都からは少し離れているが、結界が目視出来るのはそれだけ広大な土地を与えられたという事か。


「ありがとうございます」

「ありがとうございます」


 ミとヴの声が重なり、遅れてレイもありがとうございますと感謝の言葉を告げる。


「さぁ、行きましょう」


 ミの声と共に、出発する俺達。この土地で、農業をしようと心づもりするミであった。戦闘も無く、危ない事も無い、レー君にもう危険な事はさせないと、先の戦いで心に固く誓ったのであった。また、ヴも同じ心境だった。




 それから三日後、下着や衣服を買い集め、農村地帯に出来た広大なギ家の土地で畑づくりを始めていたのだが、レイが二人のシャツ姿をまじまじと見ていた事に気が付いた二人の姉達は白いシャツ1枚で過ごすことが多くなった。流石に他の目があるので、下着はしっかりと着用してはいるが。



 一方、そんな畑仕事を始めた頃、水の都には王都からの王が来訪していた。


「水の精よ、ギ家がここに来ていると思うのだが心当たりはないかね」

「おお、人の王よ。久しいな」

「水の精よ、お初にお目にかかります。きっと先代の事でしょう、何せ初めて水の都へと来たもので。挨拶が遅れて申し訳ございませぬ」

「そうか、あやつの子息か。実に似ておるな、人の生命は短い物だ。それはよい、先日来たギ家には世話になった」

「やはりこちらに来ていましたか。頼みます、ギ家は我が王都の貴重な人材なのです、何があっても連れ戻したいのだ。この通り、居場所を教えてはくれないだろうか」

「ふむ、何か事情があるようだな」

「はい、お恥ずかしい事ながらギ家の長女ミ、次女ヴは少し勘違いをしてしまいまして。私達は彼女達を捕える為に追っているのではなく、戻ってきてほしいとお願いする為に追いかけているのです」



 と、俺達が逃げる必要は全くなかった訳だけど、それを知るのはもう少しだけ後となる。俺とミ姉、ヴ姉は農業をして穏やかな生活を続けましたとさ。



「ミ姉、ヴ姉、力仕事くらい俺にさせてくれぇぇ」


 井戸に体を固定された俺は、力の限り叫んだ。そして、ここでペン打は完成を遂げる。手を使わず、魔力を意志で操り二人の姉達のお尻は叩かれる。


「あんっ」

「ひゃぁ」


 最初は撫でる如くお尻に叩き込まれたペン打だが、次第に威力を増し二つの艶めかしい悲痛な声が響くのであった。



 おしまい。

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