第1章第1節5 真実―True opening―
更新遅くなりました。第1章第1節5 真実―True Opening―です。
話というより説明文ですね。
本来の始まりの日は1週間前の朝だった。
その事実を突きつけられ、既に3時間が経過しようとしていた。
それまでの説明で分かったことが幾つかある。
まずここの“管理人”の事だ。
本当の始まりの日、管理人はこう言った。
「今から言う条件を満たせば、あなたたちを夢間へ連れて行って差し上げます。」と。
その条件は以下の通り。
1、1ヶ月間生き残る。(※ただし最低100ptを持って生き残らねばならない)
2、スタート時点でプレイヤーが持っているポイントは1pt。
3、プレイヤーの持ってるポイントを貰う方法は話し合いか、殺害のどちらかに限るものとする。
4、殺害した場合はその人の持つポイントを丸々貰うことができる。(2人以上で殺害した場合、貢献比に応じて分配するものとする)
5、ポイントが0ptになった場合、そのプレイヤーは例え体力が残っていたとしても強制退室とする。
6、チャットルームの管理人ことこの世界の唯一神『All』を殺害することに成功した場合、そこに残っていた人を全て夢間に送るものとする。
3、4、5がこの世界に悲劇…あの殺戮を引き起こした元凶らしい。
で、なぜ唯一神、Allが狙われないか。という疑問が生まれるのだが
理由は2つある。
まず1つめに神の名前の『All』。
小学生でも分かる簡単な英単語。
そう、『全て』
この世界において、英単語は単純であればあるほど恐怖を発する。
能力の詳細が分からないからだ。
言われてみると『Object』も単純で分かりづらい。
意味は“物体”だと分かっているのだが物体が“どうなる”のかが欠けているからだ。
そう考えると『All』は脅威であると言えよう。
“何が”全てなのかが欠けている為、討伐のしようがないのだ。
2つ目はこの世界の名前。『All dream come true』。
意味は『全ての夢が叶う』だと思っていたのだが、もし、Allとdream come trueで分けた意味なら『Allが夢を叶える』という意味になる。
ただでさえ分からない能力に加え、本当にそう言う意味なら殺害するのは抵抗があったらしく誰1人としてその考えには至らなかったらしい。
俺もそういうことなら殺戮に参加していたことだろう。
後、話は変わるがEscapeの詳しい成り立ちも説明してもらった。
amplifierを除き、現実世界で同じ学校に通っていた人同士らしい。
で、ある時夢間を知り、この試験についてを猛勉強し、チームを結成したとの事。(pt制があるとは知らなかったらしい。)
殺戮には誰も参加していないため、今現在全員1ptらしい。
ちなみに、ここをアジトとした理由は、幾つかある街の入り口からの距離がほぼ等しい上、外からボロく見えるため、アジトであることを隠せるということで決めたらしい。
実際、殺戮から無傷で全員生き残れたのもそれが理由だとか。
…ボロいのも役にたつんだな。
最後に、この街について。
まずこの街の名前は中央街。
最も人口の多い……いや、“多かった”街だ。
スタート時点で少なくとも8000人はいたこの街も今はEscape以外ほとんど人はいないらしいが、全員死んだ…と言うわけではなく、実際に死んだのは2000人程度。(それでも相当な数だが)
それ以外はここから西にある沈日街か北にある雪街のどちらかへ移動したらしい。
ちなみにEscapeはこのアジトがあったため、移動する必要がなかったとか。
で、今俺が何をやっているかと言うと、これからのことを考えているのだ。
とりあえず100ptを手に入れなければならない。
しかしその為には話し合いか殺害が必要となる。
正直言って人を殺したくはない。
が、話し合いでポイントをくれるほど甘くはないだろう。
だから人を殺めなければいけない。なんてことは分かっている。
分かっているのだが…勇気がでないのだ。
単純に考えて99pt以上持ってるプレイヤーを1人殺害するだけでいいわけだが、そんなプレイヤーなんてそうそう見つかるわけもないし、大体弱くはないだろう。
…と考えていたのだが、ある人の声でそれは全て消え去った。
「Enjoyしているかい?私の世界の住民さん?」
多分コイツが答えを用意してくれるだろう。
俺は何となくそう思った。




