第1章追話1 自称『神』―Find to God―
2回連続外伝の投稿で申し訳ありません^^;
ただ神とObjectが初めて会ったときのをどうしても説明しておきたかったので…。
これは自称『神』と『Object』が会った時の話である。
時は遡る。
自称『神』は1人1人に名前を与えていた。
「分身を使って50人体制でやってますけど…やっと9000人ですか…これはキツイですね…」
しかし名前をつける事には意味がある。
例え“ここにいる人の最低でも半分が殺しあいで死ぬ”としても、だ。
「…キミの名前は――」
しかし自称『神』といえど27195人もの膨大な量の名前をつけるのは苦労する。
「…キミの名前は――」
1人あたり10秒ペースでやっているが終わる気配がない。
50人で作業しても全てに名前をつけるには大体1時間30分かかるのだから当然と言えば当然なのだが。
――1時間後――
「後…1人ですか」
27194人の名前をつけ終わり、目の前に最後の一人が現れる。
「貴方が『夢間』に行こうとした理由はなんですか?」
定期文の様に全ての人に聞いている事をその人に訊ねた。
ほとんどの人は現実が嫌だからとか、夢間に憧れて、等と答えていたが最後1人…つまりこの人だけが極端に違っていた。
「…“楽園”と呼ばれるその世界を、完成させるためです。」
「…え?」
最初自称『神』は自身の耳を疑った。
『夢間』というのは“完成された”楽園だ。
この自称神も含めた何千という『創成者』が3年もの年月をかけて造り上げた最高傑作。
自称『神』も何度か行ったことがあるのだが、あれほどまで完成された世界は早々無いだろう。
その世界を遠回しではあるが“未完成”と言っているのだ。
『楽園創成団』の1人かとも思ったが、楽園創成団の一員であれば、わざわざここを経由する必要はない
つまり目の前にいる人は『楽園創成団』ではない、ということになる。
中を見たことが無いのに、未完成と言うのは別に良いのだが
世間一般では“完成された楽園”ということになっているのだ。
それを未完成と言うということはそれなりの根拠があるのだろう。
そう思い、なぜ未完成だと思うのかを聞いてみた。
するとまた予想外な答えが返ってきた。
「『現実』にいる人のほとんどが『夢間』に行こうとしないからです。」
簡単にまとめると
―完成された楽園と呼ばれるその場所に、人のほとんどが行かないのがおかしい―
ということだ。
そう言えば完成して5年近く経とうとしているが、人のほとんどは『夢間』に行こうとしない。
確かにこれは本当に完成された楽園ならば矛盾している。
(ふむ…)
考えてみれば簡単な事だ。
しかし自称『神』は気づかず、この人は気づいた。
(…面白い人だ。ご褒美でもあげよう)
そう思い、自称『神』は自身の力の1つをその人に渡してこう言った。
「質問に答えてくれてありがとう。それじゃあキミに名前をあげよう」
「キミの名前は…『Object』だ。」
編集点
ちょっと伏線を変更するため、ある部分を削除しました。




