第2章第2節1 崩壊のはじまり
ObjectとHealが外に出て二分後の事。
Understandは扉の方を心配したように見つめながらTravelに聞く。
「…大丈夫かね」
「私に言われても分からないね。そんなに気になるなら見に行けばいいんじゃないか?」
女性はここで唯一となってしまった。…私も少し心配かもしれない。
後から来たとはいえHealはあの日起きた惨劇から必死に逃げていた所を助けてくれた恩人だ。出来れば死んで欲しくない。いや、絶対に死んで欲しくない。
………ちょっと…様子見てこよっかな。
そう思い、
「ちょっと様子を…」
と言った時だった。
とトントンっとドアをノック音がした。
「ん…?Heal達か?ちょっと待ってなー今開けるー」
そう言い、Understandが開けようとドアに近づこうとした時に気づいた。
「…あれ?なんでHeal達がノックするの?」
「じゃあ来客か…?Travel。」
ん、と言い、Travelは能力を使い"お客さん"を特定
するまでもなく、"それ"はドアを蹴破った。
既に準備を整えていた私は昨日来た男(Objectだったかな)の置いていった片手剣を持ち机の下に隠れ、備える。
「やぁ。とりあえず、死のっか。」
にやりと笑ったそいつは一瞬でUnderstandと距離をつめ、全力で殴った。
が、それは空を切った。
「かっこよく来たのはいいが雑魚は出直せ」
と、Understandは一瞬で後ろに周り後頭部を一撃し、最初に入ってきたがっちりとした男が倒される。
…あれ?弱い?
「あらあらpower。ダメじゃない。殺すときはか・く・じ・つ・に、ね。」
「あんたら誰だ。敵だよな?」
Understandが構えながらそういう。
「そうよ、あなた方を殺すように上から指示があったの。」
「ほう、余裕だな」
「あら、当たり前じゃない…見たところそこそこ強いようだけど1ポイントに負けるほど私達は弱くはないのよ?」
「なら試してみようか。」
そう言い、Understandも持っていた剣を構え一瞬で女の懐を狙った。が、後ろにいた無駄にでかい男が軽く弾く動作をしただけで見事に弾いた。
「Defence。我の力は堅きことダイアの如し。如何なる力も我を通せぬ。」
「くっ」
「死角から狙っても無駄よ。駐留スキルだからどこから狙おうと弾かれるだけよ。Powerみたいな対抗系も私みたいな遮断系能力もいないでしょう?だからさっさと降参して私達に殺されなさい」
「はっ、笑わせてくれる降参なんて誰がするか。」
「あら、無駄な戦いをする気?いいわよ、かかってらっしゃい!」




