7話
「ん・・・。」
俺はいったいなにをしていたんだろう。
ああそうか、たしか昨日疲れて寝ちゃって・・・なんで疲れたんだっけ・・・。
・・・・・!!!
一気に覚醒、目が覚める。
そうだ・・・俺はついに・・・ついにやってしまったのか・・・人生におけるとてもだいじなことの、卒業式をあげてしまったのかああぁぁぁぁ!!
体を起こそうとする・・・起きれない、いや、いたい、体中がいたい。いたいいたいいたいいたい!!
これは、あれですかね、筋肉痛、ですかね。よくみると所々に擦り傷のようなものもあった。
起き上がるのはあきらめてベッドの中でゆっくりすることにした。
無理すれば起き上がれないことはないだろうが痛いのはいやだ。
そうしながらなぜこうなったのかを思い出していく。
(たしか最初、モカがちょっと痛がってて、かわいそうだったからゆっくりでいいよって抱きしめて言って、そっからいいムードになってったんだっけ。で、モカが結構なれてきたところで・・・モカが・・・・・そうだ、発情、したんだった・・・。)
しかも興奮しすぎたりとかいろいろな要素もあったためモカがなれるまでに自分は1発うちあげてしまったのだ。
で、ようやくなれてきてモカも気持ちよくなってきたところで、発情、である。
正直やばかった。死ぬかと思った。
何回だしたかも覚えていない。モカは狂ったようにせまってくるし、何いっても聞いてくれない。
隷属魔法で言うこと聞かせるのもかわいそうだしなあ、と思ったらこのザマである。
俺をこんなことにしてくれた天使のような悪魔は今、横で気持ちよさそうに寝ていた。俺にしがみついて。
くっ、なんかさらにかわいさが増したような気がする。
やっぱあれか、一回関係を持つとより特別に見えるとかいうあれなのか。
まあ怒る気はまったくないんだがね。
むしろこのシチュは一回でいいから体験s・・・なんでもないです。
サキュバスにしぼられちゃう系のエロゲーとかなんてもってないよ!
絶対だよ!
さて、体は動かせないし、なにもできないな。しょうがない、2度寝でもするか。
まあ明日には治るだろうこれ。ああそうだ、ヒールだ。
ヒールを使えばもっと早く治りそうだ。
だが塗る形式なので自分で体を動かせないこの状態では無意味である。モカが起きたらぬってもらうとしよう。
では、おやすみ。
2度寝は最高だ。精神的な幸福感を多量に摂取することができる。
たとえその至福の後に精神的(起きて時計みて焦る)、肉体的(急いで準備and家でてダッシュ)どちらにも苦痛を伴うのだとしても、この幸福感を味わうために我らは今日も過ちを犯すのだ。
ビバ、2度寝。
そして目が覚める。うん、幸せだ。
もう時計をみて焦ることはないであろう自分にとってはこの2度寝というものはまさに人生における最高クラスの幸福製造機関である。
っと、そういえば体が痛くて動けないんだっけ。
少し動こうと思ってその事実を思い出す。
横にはモカは・・・いなかった。
「あ・・・ごしゅじんさま・・・」
モカの声が少しだけ遠くから聞こえる。どこだ。
しかたない、体を起こすか。ゆーっくりと、ゆーっくりとね、刺激しないように、・・・っつぅ!
いっっつううぅぅ!ひっ、ひっ、ふー。
そうしてようやく起き上がると、モカが床に座っていた。
犬耳は完全にペタンと閉じている。尻尾はここからだと確認できないが。
「あの、そのね、きのうのよるね、ボクね、からだがへんになっちゃって、なんかね、きづいたらね、ごしゅじんさまがぼろぼろになっててね、ボクね、ボクね・・・まじゅうに、なっちゃったのかなあ?もうごしゅじんさまといっしょにいられないのかなあ・・・?」
あの元気に走り回る犬っころの姿はそこにはなかった。
そこにいたのは体を小さく縮こまらせてなにかにおびえるように震えている小さな女の子だ。
声も若干震えていた。
そうか、理性を失うってのが魔物が魔獣になるトリガーだもんな。
大好きだー大好きだーとかいってた俺を気が付いたらこんなにしてしまったいたからか、その可能性を考えてしまったようだ。
そんなことはないといわせてもらおう。発情は獣っ娘にはよくあること。
むしろそれがウリだ!獣っ娘の愛される特徴の一つだ!といってしまってもいいだろう。
断言する。できる!
さて、考えてるだけではなく言葉にして伝えないと。
「えーっ・・・と、モカは昨日のアレは、初めてだったんだよね・・・?」
「・・・うん。こーびするのは、ごしゅじんさまとが、はじめて」
「アレをするとね、たまにああなっちゃう人がいるんだよ。それは悪いことではないし、あー、なんだ、子孫を残すためとして、当然のことというか、ナントイウカデスネ・・・」
「ほんとう?とうぜんのことなの・・・?」
「ん、そうだよ。まあ、毎日ああなっちゃうのは困るけどね。でも、たまにだったら大丈夫だよ。俺もモカを幸せにしたいしね。」
ちゃっかりと自分に都合の良い言葉も混ぜておくのを忘れない。
そう、たまに、たまにならああいうのもいい。おおいにアリである。
ヒャッハーバッチコーイ!
「じゃあ、ボクはまだごしゅじんさまといっしょにいてもいいの・・・?」
「もちろん。俺もモカがいてくれないと困るよ」
「・・・・・うぅ・・・ご、ごしゅじんさまあぁぁぁ!」
「ってちょっとまってちょっとまっていま抱きつかれるとやばいやbぎゃああああああぁぁぁ!!」
モカの泣きつきタックルをまともにくらい、俺は情けない悲鳴をあげることになってしまった。
そのあと泣き止んだモカにビンの中に入っているオロナイヒール薬をぬってもらい・・・とそこで、大事な場所にもぬったほうがいいことが判明。
モカが気づいて勝手にぬりはじめたせいでまた元気になってしまったではないか。
その腫れ物はモカがしっかりと看病してくれた。
口で・・・だと。
モカに聞いたらこれもおかーさんに教えてもらったとのこと。おかーさん、なにおしえてるんすか・・・・・グッジョブ!
その後モカに食事を持ってきてもらう。
夕方にもなると薬が効いたのか起きて歩くことができるようになった。
さて、今日なにもしないのはよくないな。散歩がてらモカと一緒に町の散策にくりだす。
そこで一つ確認しておきたいことがあった。
そう、お金稼ぎの方法である。
(結構減ったしなあお金。いま残りはーっと、ひーふーみー・・・銀貨11枚銅貨4枚か。さすがにそろそろ稼いでおかないとだな。)
町の人になにかいい方法はないか聞いてみた。
STRもSPも常人より高いし、多少の力仕事もいけるはずだ。
ステータスにはそこそこ自信があることも伝えると、決まってこのような返答をされた。
「ああ、それなら冒険者ギルドにいくのがいいかもね。中には魔獣の討伐とか、危ない仕事もあるんだけどね。」、と
その冒険者ギルドの場所をしっかり聞いておく。メモメモ。
あるのか、冒険者ギルド。ファンタジー世界で超ポピュラーな組織。まあポピュラーだからこそあるんだろうけどさ。
よし、覚えた。結構近い場所にあったんだな。
というか奴隷商館いくときに通ったぞこの道。なんで気づかなかったんだろう。
まあ見逃してしまったものはしょうがない。
ちなみに今日はもう夜遅いのでギルドは閉店しているらしい。
あらくれものとか集まりそうなそういう場所で夜は閉店してるってどういうことなのだろうか。
酒場兼冒険者ギルドとして運営したりしたほうがもうかるだろうに。まあなにはともあれ、今日はいっても意味がないというのがわかった。
じゃあ明日、日を改めていくことにしよう。
異世界生活2日目、稼ぐ手段を見つけることに成功。
明日からがんばってみようか。
次の話でようやく初の戦闘シーンがあります。
レベルは15もあるけど初陣・・・主人公はどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。
誤字の修正をしましたー。7/24