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6話

モカを購入して外へとでる。

店からでたとたんモカのお腹がかわいい音で鳴いた。

どうやら本当にお腹がすいてたようだ。


「ごしゅじんさまー、おなかすいたよー・・・」


俺の服のクイクイ引っ張って上目使いで不安そうにこちらを見てくる。

さすがに買われてすぐに食べ物をねだったりするのは気が引けたのだろうか。犬耳もぺたんと閉じられてしまい、尻尾もシュン・・・とたれさがっている。

かわいすぎる。これは反則だろう・・・。


こんな子を地球で一人にしておいたらロリコンのおじさんが絶対放っておかないだろう。

あの手この手(全て食べ物関係かもだが)で懐柔、お持ち帰りコースだろう。


「じゃあなにか食べにいくかー。俺はもう食べたから、モカの食べたいものでいいぞ。

今日はモカを買った記念日だしな。好きなだけ食べろ」


そう告げると、モカの顔が一瞬にして輝きをはなった!ぐわっ。

ユズル の めがくらんだ!


「やったーやったー!ごはん、ごはんー!ごしゅじんさまだいすきー!!」


そういってふたたび抱きつかれる。そしてそのままとびはねるモカ。

あ、あかん、あかんで、それあかん。おまん、いま薄着きとるねん。

うちも薄着やねん。薄着同士はあかんでぇえええ!!

      薄着VS薄着、ファイッ!! 

勝者が決まったも同然のとんだやらせ試合であった。


(そこまでは食べない、よな?まさかアニメのキャラじゃあるまいし・・・)



モカはお肉がたべたいと言い出した。やっぱ肉か。

そういえばこの世界の肉はまだ食べていないな。

どんな肉があって、どんな味がするんだろうね。

ちょうどいいのでモカと露店で売っている肉を買い食いしながら周ることにした。

俺はだいぶ腹いっぱいだったのだが、やっぱり味が気になるし少しだけもらうことにしよう。



1つ目の露店はこんがり焼いたなにかの肉を串に刺し、香辛料のようなものをふりかけたものだ。

1本銅貨1枚なり。モカは両手にその串を持っておいしそうにほおばっている。

俺も一口もらってみた。

・・・あ、味を確認したいダケデスヨ?か、かんちがいしないでよね、か、関節キスとかそんなこと考えていないんだからね!!


味のほうは・・・ふむ、羊の肉に近いだろうか?ラムというよりこれはマトンだろう。

肉質は固く、少しだけ臭みがある。だがその分味に深みがあっておいしい。

そして香辛料だと思っていた赤い粒はなんと塩の味がした。

赤い塩といい青いキャベツといい食べてみないと味の想像がつかないものがこの世界には多いのかもしれない。



2つ目の露店は鍋に野菜とこれまた見たことない緑色の肉を入れた煮込みものであった。

容器にいれて出汁もまとめていただけるようだ。

量はそこそこ多い。ちなみにモカの分はすでに購入してある。銅貨1枚なり。

横でおいしそうにはふはふしながら食べています。


さすがに気になったので店主にこれは何の肉か聞いてみる。・・・ゴブリンらしい。

ゴ、ゴブッ!?・・・あとちょっとで好奇心によって自分の分も買ってしまうところだった・・・。

あ、あぶなかったごぶ。

まずゴブリンという典型的なファンタジーなモンスターがいることに驚いたのもあるが、そのゴブリンの肉を食用に使用しているとはね・・・。

あれをおいしそうに食べているモカがすごい。


いや、案外売れてるらしくモカが食べ終わるのを待っていると何人か客が来て買っていった。

そんなにおいしいのか。

・・・次の機会にでも食べてみるとしよう。今日はやめておく。

い、いつかな!いつか食べてやるからな!まってろごぶぅ!

にしてもそのうちドラゴンステーキとかもでてきそうだな。

~サハギンの肉のカルパッチョ、季節の木の実をそえて~とか。



3つ目の露店についた。

今度は鉄板の上でステーキを焼いてその場で豪快に食べてもらうという男性に人気のでそうな店だ。

今も厚さ3センチ、直径30センチくらいの大きな肉の塊を焼いている・・・・緑色の肉を。

またもやゴブリンである。今日だけはもう見たくなかったのに、明日以降なら食べたのに!


モカが食べたそうにしていたので、お金(銅貨3枚なり)を渡すとダッシュでお店の人のところまで飛んでいく。

そんなにたべたかったのかあれ。見た目はかなりグロいんだがな。

お店の人がお金を受け取る。周りにギャラリーがわいた。

どうやらあのデカブツを華奢な体付きをした女の子がどうやって食べきるのかどうか気になるようで。


だがウチのモカをなめちゃいけない。さっき1つ目、2つ目の店で検証したところ食べる速度は俺のざっと3倍。

あとどれだけ入るか聞いてみて計算したところ、食べる量は俺の2倍近くにはなるだろう。

正直俺の2倍程度で済んでよかった。

食費はそこまできついことにはならないだろう。


モカが肉に勢いよく肉にかぶりつく。周りがヒートアップしてヤジを飛ばし始めるが、モカはそんなこと気にしちゃいない。

またたくまに肉を完食してしまった。

食べ終えたモカが賞賛を送るギャラリーを華麗にスルー。こちらによって来る。


「えへへー。ボクおなかいーっぱいでしあわせー」


それはよかった。モカは至福の表情。目がとろんとしている。

思わず頭をなでなで。

きもちよさそうに目を閉じた。

俺もそれを見て幸せになるからWIN,WINである。とそこでモカのほっぺたに肉の破片がついているのが見えた。


思わず手ですくって食べて、これついてたぞー(ニヤニヤ)とかカップル的なことやりたい衝動にかられたがそのほっぺたには例のにくいヤツ、そうゴブリンの緑色の肉が「さもありなん」という態度で鎮座している(ように見えた)。

くっ・・・神は俺に試練を与えるというのか!

この試練を乗り切らなければ俺は成長できないとでもいうのか!

とか考えていたらモカが気づいてぺろっとなめとってしまった。残念。


そういえばモカに耳や尻尾がついてるのみんなほとんど気にしてなかったな。

コヤック氏が魔物魔物いってたわりには拍子抜けだった気がする。

あと騒ぎ起こした張本人だってばれないでよかったかもしれん。

露店は他の村や町から出張してきてる人もいるらしいし知らないのかもしれん。それか素早い動きで顔の確認をすることが難しかったとか。

この町の住人はみんなレベル低めだしありうる。

町の人の平均レベル3だもんな。レベル11の動きはとらえられないかもしれない。



その後も露店を数件まわり、携帯できるジャーキーっぽい干し肉等を購入。

そしてモカの服を購入して着替えさせる。

まずは下着いくつか購入。モカは動きやすいものがいいといって、ホットパンツのようなものとタンクトップに近いものを持ってきた。

かわいいワンピースとかも似合いそうだったのだが、本人の希望によりそのふたつも購入。


「も」である。ちゃんとワンピースも買っておいた。本人説得済みである。問題はない。

そうしてモカの身の回りの物をそろえていたら夜になっていたので宿に帰宅することにした。

宿に帰宅して、モカの代金をどうすればいいか聞いてみたところ、同じ部屋で寝るならば代金を払わなくても大丈夫だといわれた。

お湯とか食事代は明日から追加したいなら追加してくれればいいとのこと。さて・・・・・・・・・・・・同じ部屋、ね・・・。


さっき同じ部屋ならお金払う必要ないっていわれて「あ、ありがとうございます」って反射でいっちゃってだね。

わざわざやっぱり部屋用意してくださいとかいいにいくのもな・・・。

絶対ヘタレとか思われるんだろうなぁ。・・・ヘ、ヘタレじゃねーし!ウブなだけだし!


なるべくゆっくり歩いて時間を稼いでみたが、とうとう部屋についてしまった。部屋はベッド1つ、イス1つ、机1つ、以上である。

完全に一人用である。

俺、床で寝るからモカはベッドでねていいんだぜ(キリッ とかいうこともできそうにない。床、めっちゃかたそうですし。


「べっどはひとつなの?」


モカが聞いてくる、すごく純粋な目で。そんな目でみつめないでほしい。

モカ、まぶしいよ・・・。純粋すぎるその目がまぶしいよ・・・いっそ消えてなくなりたい。

とりあえずいろいろとやばいのでイスに座って足を組む。沈まれ俺の・・・!!


「あ、あー、うん。いまのところはね。でももし、モカがいやだったらもう一つ部屋を~「わかった!!」」


といいかけたところでモカがなにかに気が付いたかのように声を上げた。

いったいなにがわかったのだろうか。


「こーびするんだよね!」


こっ!!

こ、こう、こう


「こ、こ、こーびちゃうわ!」

「んー?でもごしゅじんさまからそういうにおいするよー?」


匂いだと!?

するのか!?こーびの匂い!?どんな!?


「おかーさんがね、こーびはすきなひとどうしでするととってもしあわせになれるよっていってたの。

さいしょはいたいけど、どんどんしあわせなきもちになってくるんだって!やりかたもちゃんとしってるんだよ!えっへん!・・・ボクはね!ごしゅじんさまのことだいすきだよー!だってごはんいっぱいくれるしあたまをなでなでしてくれたもんー!」


軽い、軽いぞモカ!ご飯となでなでで大好きとはなんて軽いんだモカ!

ギャルゲーにでてきたら1分でフラグたって攻略完了になるぞ!

それで、それでいいのかモカよ!


「ごしゅじんさまはボクのことすき?」


きた。回避不可能、防御不可能、一撃死のチート技、好きな子からの「私のこと好き?」のセリフだ。

これを使われてしまってはもうどうしようもない。

逃げ場はない・・・か。ふっ。


「うん、俺は、モカのこと、好きだよ」


おそらく顔は真っ赤。目は泳ぎまくってどこをみてるかわからない。

だが言うしかないのだ。このセリフにはさからえないのだ。さすがチート技である。


「えへへー。じゃあー、しあわせになろー!」


ベッドまで引きずられて押し倒される。力結構強いっすよってあれ、これ逆じゃね?でも体は硬直してしまいいうことを聞かない。

応答せよ!俺の体!至急、応答せよ!モカが覆いかぶさってくる。

だめだ、もう動けない。ガッチリホールドされてしまった。

もう・・・なるようになれぇぇぇ!!


こうして俺の異世界生活1日目は長年のDT生活に終止符を打つ、とってもしあわせな1日となるのであった。

5話でヒロイン登場、そして次の話でいきなりやってしまいました。

モカちゃんはとても純粋な子です。あったばかりの人とエッチするのはふつうではないということを知らないだけなのです。また、エッチのしかたはわかってもそれがどういう意味をもつのかとかもくわしくは知りません。さすがに世間知らずすぎるので、主人公は少しだけは教育をする必要があると判断しました。

自分以外の男と寝られたらいやですしね。

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