3話
ヒールの説明の部分に誤りがあったため訂正しました
消費魔力や治癒速度が上がる→消費魔力が減ったり治癒速度が上がったりする。
1に0をかけてみる・・・0になった。
10に0をかけてみる・・・0になった・・・。
100に0を・・・・・もうやめよう。
0とな。×0の補正とな。
それは補正っていうかなんていうか、実質使用不可能ってことと同じでは。
しかもこの書き方からして発動はできるけどMPだけ持ってかれるような理不尽設定じゃないか。
極め付けは2個目の制約。MP消費10倍である。
まあ、これは、まだ、いい、うん、いい(葛藤)。いや、ぜんぜんよくないけどさ。
最大MP補正のチートを引いたとしても10倍固定のものだと思っていたからだ。
MPが×100ならば燃費が10倍になったとしても足りないということはまったくないし、MP×10のチートもらったと考えればいい。
ただし攻撃魔法×0、てめーはだめだ。
魔法による攻撃でのダメージは一切見込めないということだろうか。
なにかの攻撃魔法で試してみたいところである。
(たしかあの本にファイアボールとかの、呪文の詠唱書いてあったよな。)
基本的な呪文は少しだけ書いてあったので、なるべく覚えるようにしておいた。
攻撃系魔法のファイアボール、回復系魔法のヒール、補助系魔法のストレングスの3つ。
ファイアボール:直径15センチほどの火の玉を飛ばす。時速80キロくらい。
ヒール:自然治癒力を活性化させ傷の治りを早くする。小さな切り傷程度ならすぐ治る。
使用者の想像力が大切。
傷が治るというイメージをより明確にすることにより消費魔力が減ったり治癒速度が上がったりする。
イメージしないと使うことはできず、戦闘中に使うのには向かない。
込めた魔力量により治癒速度が上昇するが、込められる魔力量に限界がある。
限界値はかなり低め。
ストレングス:一定時間STRとVITに+5の補正をする。込めた魔力量により効果時間だけが増加する。
こんな感じ。
本当に基本って感じだ。
魔力の込め方はなんとなくわかる。
この世界にきてから、自分の体の中にいままでなかったものがあるような感覚を受けていた。おそらくこれが魔力だ。
これが魔力というものであっているのならば、なんとなくだが使い方がわかると思う。
まあここは安全な場所らしいし、つかってみるとしようかね。
な~にもない草原なので、的は少し先の地面である。
『ファイアボール!』
ボン!こぶりな火の玉が勢いよく飛んでいく。
おお、できるじゃないか。
×0だし発生すらないかと思ってたけど、ちゃんとでるんだな。
と思ったところで地面に火の玉が着弾、したと思ったら消えた、火の玉が。
その場所に生えていた植物達はなにごともなかったかのようにそよそよと風にゆらいでいる。
(・・・やっぱ威力は0ってことなのか。着弾時に爆風とか起こったらそれでダメージ入れることできそうだったんだが・・・それもなしと、徹底してるねほんと。)
まあはったりとか目くらましとかには使えそうではあるかもしれない。それだったら補助魔法にもっと効果的なものがあるかもだし、新しい呪文を覚える価値はなさそうだが。
派手な魔法ぶっぱなして戦場を駆け抜けることはできなさそうだが、まだだ、まだおわらんよ。
自分には回復系魔法と補助系魔法が残っているではないか。
強い補助魔法を自分にかけて近接無双したり、回復魔法で傷を治したり毒を治療したりして周りから感謝される。
うむ、いい。そんなのも悪くない。まあ前にでる分戦闘の危険が増すかもしれないが、戦闘したら痛い目に会うのは当然。覚悟はできてる、たぶん。
お次はヒールといこう。実践あるのみ。
傷がないとできないな。ってことであれだ。
ゲームとかマンガでよくある、契約するときに指を噛んで血を垂らすあれだ。
左手小指を噛む、ガブッ、・・・ブチッ!いってえええぇぇ!!
いてえ!いってえよ!これ!あいつらなに、なにごともなかったような顔で指食いちぎってるけど内心めっちゃ痛くて泣きそうになるの必死に耐えてるだろ!それぐらいいてえよこれぇ!!
あーまだじんじんする・・・。近接戦闘かあ・・・自信が少しなくなってきた・・・かも。
なにはともあれヒールだヒール。
右手を左手の小指にかざす。
イメージする、この傷が治るイメージ、出血が収まって、傷口周りが少し腫れる、ゆっくりと傷口が閉じていき、皮膚の表面がただれている程度まで収まる、新しい皮膚ができて、完全に傷口がなくなる・・・傷・・・治る・・・治す手段・・・イメージ・・・・・そして魔力を記入されていた限界量込めてみる。
たしか10だったはず。
ステータスを見ながら、込める量を調節していく。・・・10倍だから100か。
『ヒール!』
成功したようだ。右手からキラキラと魔力の結晶のようなものが生まれて、そのまま右手でとどまって、形を成した!
・・・あん?
左手小指の痛みは治まっていない。あれ、成功・・・したよね?
そこで右手になにか黄色いねばねばした物体が付着しているのに気が付く。
これはなんだ・・・。
・・・・・ふと思いついて、この黄色い物体を傷口部分に塗ってみる。
痛みが少し引いた。そして傷口が少しずつ修復されていく。
1分すると傷口は完全にふさがった。
まだ右手に残っている黄色い物体を見る。
前世の世界にあったあれに非常によく似ている気がする。
これは・・・あれか?オロオロをナイナイするあれなのか・・・?
これはひどい。もはやヒールではない。いやヒールしてるけどヒールではない。
まあ、いいけどさ。治るのも結構はやかったしさ。
これがもし永遠に物体として残るものならば、持ち歩くことも可能だしね。
店に買い取ってもらえばなかなかのお金になるかもしれない。
まあ長い間残るかどうかわからんからしばらくは作ってその場で使用になるのかな。いまは入れ物ないし、町いったら容器に入れて長時間保存してみよう。
最後にストレングスだが、これはふつうに書いてある通りの効果を発揮した。
試しに1000(100)の魔力を込めてみて10分経つが効果が消える気配がない。
まあいいか。このまま町にでもいこう。
俺は町へとゆっくり歩き出すのであった。
町にいくまでに結構時間かけてしまった・・・。
このままいくと4話(次)か5話目で一人目のヒロインをだせるかもしれませんね。
主人公は地球ではDTのまま一生を終えました。
わりと女に飢えています。
町についた後奴隷市場に直行してしまう可能性もあるでしょう。