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転
男が買い物袋を片手にコンビニエンスストアを出ると、信号機が黄色から赤にかわった。
信号待ちをしていると、踵の高い靴を鳴らしながらやってきた赤いドレスの女が男の視界の片隅で立ち止まった。膝上まである深いスリットから足が見えている。
男は見るとはなしに女の足に目をやる。
ほっそりとした長い足だった。
男の視線が足から腰に這うように移っていく。
細くしなやかな腰つきだった。
男の視線は腰から胸に舐めるように移っていく。
長い髪の毛で隠れてはいるが意外に大きめの胸だった。
細身の肢体に大きめの胸、長めの手足、まるでモデルのようだなと眺めていると女と目があった。
女は独特のフェロモンを振りまき、気だるそうに数回瞬きすると吸い寄せられるように男の方に歩き出した。
そこで男は目が覚めた。
そして信号機が変わると同時に走り出した。
振り返りもせずに横断歩道を渡ると通りがかったタクシーを止め飛び乗った。
後には赤いドレスの女が一人取り残された。