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輪廻転生制度
輪廻転生界で制度の見直し議論が諮問案件となった。論点は以下に集約された。
前世の記憶がゼロならただの誕生である。
記憶が完全に残っていれば憑依である。
異世界の接触は、歴史をも揺るがしかねない。倫理的な問題点はないのか?
倫理委員会が招集され、何次にもおよぶ審議を重ねた。そして、科学的見地から、輪廻転生に制限は不要と結論。つまり、従前と変更なしということに決まった。
科学担当の二人は、新進気鋭の学者が抜擢されていた。
議決が下ると、才賀了は笑って、関里子に手を差し出した。里子はまだ緊張の解けない表情で、左手で胸を撫で下ろし、右手で握手を交わした。
会議室から出てきた二人の様子は、対照的だった。
転生予定のある才賀了は晴れやかな顔。その横顔を見て関里子は唇を噛み、目を潤ませていた。
生真面目な理系女子は、科学に嘘はつけなかった。
二人はその足で、相談役になってくれた、教授の有島の研究室に報告に行った。
ひと通り挨拶が終わると才賀は出て行った。里子はしばらく、研究室に留まり、報告書を読んでいた。しきりに洟をすすり、時折チーンと鼻を噛んだ。
有島は何かを察したようで、関里子が研究室を去るとき、ぽんぽんっと肩を叩いた。




