Scene16
ナオとケントを一緒に下校しているとき、リクが不意に言った。
リク「ナオ、変なこと聞いていいか?」
ケント「ダメ!本当に変なこと聞くから。」
リク「いや、ケントに言ってないから!」
ナオ「何?あらたまって!」
リク「オレたちって何だかんだ3人組じゃん。それは保育園からの幼なじみで、小中高と一緒だからそうなんだろうけど・・・。」
ナオ「ん?」
リクは思い切って言った。
リク「だけど、もう1人、オレら3人に共通の仲のいい友達っていなかったったけ?」
ナオ「は?共通の知り合いはたくさんいるけど・・・、そのもう1人って誰?」
ケント「オレはクラスメイト全員と仲がいいと思ってるぜ。」
リク「そういうんじゃなくて、クラスメイトとかじゃなくて、もっといつも4人で一緒にいるような関係のやつ。オレたちって、今こうして3人にいることが多いけど、3人グループじゃなくて、オレたちの他にもう1人いなかった?」
ナオ「それりゃ、いないんじゃない?」
リク「だよな。変なこと聞いてごめん。」
ナオ「リクはそういう人がいると思ってるの?」
リク「厳密には、いたような気がするって感じだ。」
ケント「何それ!何か面白そうだな!」
ナオ「ちなみに、その4人目って男?女?」
リク「女だ。」
ケント「おお!ますます面白そうだな!」
ナオ「ケントちょっと黙ってて!」
ナオはケントの頭にチョップをした。
ナオ「その子がいたような気がするって、どんな感じなの?」
リク「前は漠然とした感覚だったんだけど、今はときどき思い出すって言うか・・・。」
ナオ「思い出すって言われても、私にはそんな人、心当たりないからね。」
リク「だけどさ、何か変じゃないか?」
ケント「おお!」
ケントは「面白そう。」と言う言葉を省略した。
ナオ「何が?」
リク「確かに、オレたち3人は幼なじみで気心が知れてるけど、ナオが女子1人で、オレたち男2人とつるんでるのって、何かおかしくないか?」
ナオ「そうかな?」
リク「だってさ、もう1人女子がいれば、ナオだってずっと男に会わせなくてもいいだろ。オレたちのいないところで女子同士の話ができたり、女子ってそう言うもんだろ?」
ナオ「まあね、仲がいい子だったら、ここに4人目の子がいてもいいかもしれないね。」
ケント「何、何!オレたちのグループに女子を勧誘しようっていう話?」
ナオはケントの肩をパンチしながら言った。
ナオ「違う。そうじゃない。」
ナオは手をあごに当てて考えながら言った。
ナオ「まあ何にしろ、とりあえず私にはそんな子がいた気がしないから何とも言えないかな。」
ケント「いや、オレはそんな子がいたような気がしてきたぜ。」
ナオ「は?そんな気にしてないでしょ!ケントさっきからややこしいのよ!」
ナオはケントの腹にパンチを入れた。
リク「いや、いいんだ。ちょっと気になっただけだから。」
リクは力弱く笑った。
ケント「じゃあ解決ということで、ヒナウォークを通って帰るついでに、可愛い子を勧誘しましょうか!」