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Scene15


週末が明けた月曜日、担任のミクから歴史の定期テストが返却されることになった。


ナオはため息をついてる。


リク「そのため息、何か聞いてほしそうなため息だな。」


ナオは振り返って言った。


ナオ「そうなのよー。歴史苦手なのよ。私、絶対理系だわ。」


ケント「お得意の予習と復習はどうなったんだよ?」


リク「歴史は予習と復習しても、暗記しないとな。」


ナオ「そうなのよ。いらないわー、テスト。リク、私のテスト消して。今すぐ。」


リク「何言ってんの?」


ケント「オレが食ってやろうか。」


ナオ「やだ。ケント本当に食いそうだから。」


担任のミクが言った。


ミク「歴史のテストに関しては、このクラスの平均点は6クラス中2番目だ。」


生徒たちが「おー!」と尻上がりに声をあげた。


ミク「下からな。」


今度は「あー。」と尻下がりにため息をついた。


ミク「この平均点、お前ら全員で平均点を下げようっているチームプレイでもしてんのか?いや、逆に感動するわ。」


生徒たちは苦笑いした。


ミク「平均点学年トップはお前らが決めた目標だ。今回良かった者はもっと頑張るように。今回悪かった者はもっと頑張るように。」


ケント「つまり、全員もっと頑張るように。」


ナオ「お前が言うなよ。」


ミク「それじゃあテストを返していくぞ。」


ミクは出席番号順にテストを返して言った。


最初にナオが呼ばれて答案を持って帰ってきた。


リク「何点だった?」


ナオ「それ聞くの?」


ナオの机の上には開き過ぎてボロボロになった教科書が置いてあった。


リク「まあ、教科書がそんなになるまで勉強できるのはすごいんじゃね。」


ナオ「何で上から目線なのよ。」


ケント「ナオ、教科書そんなにボロボロにして、ちゃんと教科書に謝れよ。」


ナオ「教科書は読んでもらえて本望なんです。ケントこそ読んでない教科書に誤りなさいよ。」


次にリクが呼ばれて答案を持って帰ってきた。リクはニヤニヤしながら言った。


リク「ナオ、何点だったか聞く?」


ナオ「いや、いいわ。顔に書いてあるから。」


最後にケントが呼ばれた。


ケントのテストを返却するときに、ミクはケントの答案をマジマジと眺めた。


ミク「この答案、まるで『スープ抜き、麺抜き』で頼んだラーメンくらい中身がないぞ。」


それを聞いた生徒たちはドッと笑った。


ケント「次は頑張るので見ててください。」


ミク「前も頑張るって言ってなかったか?頑張る詐欺か?」


生徒たちはクスクスと笑った。


ケントが答案を持って席に帰る途中でナオが声をかけた。


ナオ「ケント、自分の名前以外で合ってたところあったの?」


ナオは意地悪そうに笑った。


ケント「いやいや、名前は間違ってないっていう時点でオレの成長を感じるだろ?」


ケントの余裕のボケに、ナオとリクは笑った。


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