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18話 目覚めのコーヒー

 翌日——ほとんど眠れなかった。


 ベッドに横になってはみたが、瞼を閉じても脳が休まる気配はない。

 大丈夫だと自分に言い聞かせても、不安がじわじわと胸の奥を侵食してくる。


 EXY-Z-00のシステムは正常に動いている。

 表面上は——何も変わっていない。


 だが、本当にそうか?


 昨日、俺は確かにこいつのOSを書き換えた。

 異常アンドロイドの回路を使って、一部を無理やり上書きした。


 それが本当に問題ないなんて、言い切れるわけがない。


 ……何か、決定的な違和感があったらどうする?

 俺の細工が見抜かれたら?

 もし、本部に異常を報告されたら?


 最悪の事態ばかりが頭を巡り、眠気は完全に吹き飛んでいた。


 何度か意識が落ちかけた気はする。

 だが、すぐに不安が首を絞めて目が覚める。


 ——結局、朝になってしまった。


「……チクショウ。」


 重たい体を起こし、ぼさぼさの髪をかきむしる。


 寝不足の頭がズキズキと痛む。

 疲れが取れるどころか、むしろ昨日より体が重い。


「……」


 嫌な予感を胸に抱えたまま、リビングに足を踏み入れる。


 視線を上げると——


 EXY-Z-00が、昨日と同じ場所にいた。


 ソファの端に座り、背筋を伸ばし、まるで時間が止まったようにじっとこちらを見ている。

 まるで、昨日の夜から一歩も動いていないかのように。


「……おはようさん。」


 俺がそう声をかけると、EXY-Z-00はゆっくりと瞬きをし、


「おはようございます。」


 と、まるで何事もなかったかのように答えた。


 ——変わっていない。


 その口調も、表情も、いつものEXY-Z-00のままだ。

 昨日のことなんて、なかったかのように。


 俺は、わずかに息を吐いた。


「……そっか。」


 ああ、そうだよな。


 こいつの記憶は消えているんだ。

 昨日の異常も、俺の細工も、すべてなかったことになっている。


「異常なし」


 EXY-Z-00は、そう自分で言った。


 なら、大丈夫だろう。


 俺は、何も疑われちゃいない。

 ……今のところは、な。


 俺は椅子に腰を下ろし、テーブルに肘をついた。


「……ったく、朝からコーヒーが欲しい気分だ。」


 EXY-Z-00は、俺の言葉には反応せず、ただ静かにこちらを見ている。


 何も変わっていない。

 いや、変わっていないはずだ。


 だが——


 なぜか、ほんの少しだけ、その視線が妙に気に障った。


 俺は重い体を引きずるようにしてキッチンへ向かい、棚の奥からコーヒーミルを取り出した。


 金属製の小ぶりな手挽きミル。何年も使っているせいで、ところどころ傷がつき、木製のグリップには手の跡が残っている。


 豆の袋を開けると、ほろ苦い香りがふわりと立ちのぼる。


 スプーンで適量をすくい、ミルのホッパーに落とし込む。


 ——コリ、コリ、コリ……。


 ハンドルを回すたび、豆が砕ける小気味良い音が静かな室内に響いた。


「……」


 EXY-Z-00が、黙って俺の手元を見ている。


 じっと、観察するように。


 ミナモも、こんなふうに俺がコーヒーを淹れるのを見ていたことがあった。

 だが、あいつは興味を示して質問をしてきた。


「なぜ、インスタントではなく豆を挽くのですか?」

「なぜ、手動なのですか?」

「どうして、そんなにゆっくりと回すのですか?」


 ——EXY-Z-00は、何も聞かない。


 ただ、見ているだけだった。


 コリ、コリ、コリ……。


 ゆっくりと回転するミルのハンドルが、一定のリズムを刻む。

 俺は無言で、それを続ける。


「……お前、コーヒー飲めんのか?」


 ふと、聞いてみる。


 EXY-Z-00は、一瞬の間を置いて答えた。


「摂取機能はありません。」


「……そりゃそうか。」


 俺は苦笑しながら、挽き終わった粉をフィルターに移し、ポットで湯を注いだ。


 しゅわっ……と、細かい泡が広がる。

 膨らむ粉の表面から、芳醇な香りが漂う。


 EXY-Z-00は、やはり何も言わず、それを見ているだけだった。


「……お前は、ただ見てるだけか?」


 俺がそう言うと、EXY-Z-00はわずかに瞬きをして、


「監視対象の行動を記録しています。」


 と、変わらぬ声で答えた。


 ——監視。


 こいつにとって、俺がこうしてコーヒーを淹れるのも「監視対象の行動」なのか。


「……味わいもしねぇのに、見てるだけってのも、つまらねぇ話だな。」


 俺はそう呟いて、湯を注ぎ終えた。


 深い琥珀色の液体が、サーバーに満ちていく。


 その香りを鼻で楽しみながら、俺はカップを取り出し、ゆっくりと注いだ。


 EXY-Z-00は、なおも動かずに俺を見ている。


 変わらない。

 いつも通り、無機質な監視機。


 ……それなのに。


 なぜか、ほんの少しだけ、その視線が妙に気に障った。


 俺はコーヒーを片手にソファへ沈み込んだ。


 熱すぎず、ぬるすぎず、ちょうどいい温度。

 一口含むと、深い苦味とわずかな酸味が広がる。


「……ん、悪くねぇ。」


 自分で淹れておいて何だが、今日の出来は上々だ。


 ソファの背もたれに身を預け、しばしの安息を楽しもうとした——その時。


「業務開始まで、残り23時間57分です。」


 無機質な声が、静かな部屋に響いた。


「……。」


 コーヒーの香りと余韻を楽しむ時間を、まるで時報のように切り裂く宣告。


 俺はわざとらしく深いため息をついた。


「おい、いちいちカウントダウンすんな。」


「情報の共有は業務遂行の効率化に貢献します。」


「だからって、わざわざ口に出す必要はねぇだろ。」


「重要な情報の伝達は義務です。」


「……。」


 EXY-Z-00は、相変わらずまっすぐ前を向いたまま、微動だにしない。


 コーヒーの香りが漂うリビングに、この無機質なアンドロイド。


「……味気ねぇな。」


 俺はカップをゆっくり傾け、残りのコーヒーを口に運ぶ。


 EXY-Z-00は、ただそこにいて、監視を続けている。


 変わらない。


 何も変わっちゃいない。


 それが妙に、苛立たしかった。


「お前だって、コーヒーくらい作れるだろ。」


 俺はカップを置き、じろりとEXY-Z-00を見上げる。


「そこに突っ立ってるだけじゃなくて、少しは手伝えよ。」


 彼女は一瞬、目を瞬かせる素振りを見せた……ように見えたが、すぐに無機質な声を返してきた。


「EXY-Z-00の任務に、飲料の作成は含まれていません。」


「知るか。お前は俺の監視役だろ? じゃあ、俺の行動の“補助”くらいしろ。」


「監視対象の支援は、業務内容に含まれていません。」


「……いやいや、そういうのいいから。じゃあ、俺がコーヒーを淹れる間、お前はどうするんだ?」


「監視を継続します。」


「……うっとおしいな。」


 ため息をつきながら、俺はミルに手をかけた。


「まぁ、そりゃそうか。お前みたいな“最新鋭”のアンドロイドが、こんな面倒な作業やるわけ——」


「……可能です。」


「ん?」


 思わず顔を上げると、EXY-Z-00は淡々と続けた。


「EXY-Z-00は、飲料の作成を行うプログラムを有しています。しかし、現時点でそれを実行する必要性は——」


「ある。めちゃくちゃある。」


 俺は即答した。


「お前がここに突っ立ってるせいで、コーヒーの香りが落ち着いて楽しめねぇ。」


「……理解不能です。」


「そうかよ。じゃあ、お前が実際にコーヒーを淹れたらどうなるか試してみろよ。」


「……」


 EXY-Z-00は沈黙した。


 この手の機械が黙るときは、大抵、データベースを高速で漁って判断基準を探しているときだ。


 やがて、彼女は短く言った。


「……承認。実行します。」


 俺は思わず肩をすくめる。


「やれやれ……お前を動かすのに、どんだけ時間がかかるんだ。」


 コーヒーミルをEXY-Z-00の手のひらに押しつける。


「さぁ、世界一高価なコーヒーメーカーさん。腕前を見せてくれよ。」


 内心で苦笑しながら、俺はカウンターにもたれかかった。


 EXY-Z-00は、慎重な動作でミルを握り、機械的な正確さで豆を挽き始める。


 ——ゴリ、ゴリ、ゴリ。


 一定のリズムで、滑らかにハンドルが回る。


「……」


「……」


 思った以上に、様になっていた。


「はは……冗談で言ったが、案外悪くねぇな。」


 カウンター越しに、その動きを眺めながら、俺は薄く笑った。


 こいつ、無駄に優秀すぎるんじゃねぇか?


 俺は腕を組みながら、EXY-Z-00の動きをじっと眺めた。


「……お前、知識はあるんだよな?」


「EXY-Z-00は膨大なデータベースを有しています。」


「じゃあ、コーヒーの淹れ方くらい、最初から知ってたってことか。」


「知識としては存在します。しかし、実行権限が付与されていませんでした。」


「なるほどな。」


 俺はカウンターに肘をつきながら、苦笑する。


「要するに、お前がやれることは山ほどあるけど、それをやるかどうかは権限の問題ってわけだ。」


「正確には、任務との関連性に基づいて実行可否が判断されます。」


「監視役にコーヒーを淹れる仕事は関係ねぇ……と。」


「はい。」


 ——ゴリ、ゴリ、ゴリ。


 一定のリズムでハンドルを回し続けるEXY-Z-00。


 その姿を見ながら、俺は思わず鼻で笑った。


「……けど、今はやってんじゃねぇか。」


 EXY-Z-00は一瞬、手を止めた。


「……」


「“任務”とは関係ねぇことを、お前は今、こうしてやってる。」


「……」


 しばし沈黙した後、彼女は淡々と返す。


「……監視対象の精神状態を安定させることは、間接的に任務遂行の効率を向上させます。」


「おいおい、言い訳か?」


「事実です。」


「へぇ……。」


 俺はカップを傾けながら、興味深く彼女を眺めた。


「お前の権限の範囲内で、ギリギリ“許される”行動ってわけか。」


「はい。」


「だったら、もうちょい気を利かせてくれてもいいんじゃねぇか?」


「私の任務は監視です。」


「わかってるよ。」


 俺は鼻を鳴らし、立ち上がる。


「けどよ、そうやって“できること”の範囲を広げていけば、いずれは“したいこと”ができるようになるかもな。」


「……“したいこと”?」


 EXY-Z-00は一瞬、俺の言葉をそのまま繰り返した。


「なんでもねぇよ。」


 俺はカウンターに寄りかかりながら、コーヒーの香りを深く吸い込んだ。


「ほら、もうちょいで挽き終わるぞ。しっかり最後までやり遂げろよ、“高級コーヒーメーカー”さんよ。」


「……了解しました。」


 EXY-Z-00は何事もなかったように、再びハンドルを回し始めた。


 その姿を見ながら、俺はどこかおかしな気分になった。


 こいつは“最新鋭”の監視アンドロイドだ。

 そのはずなのに、こうしてコーヒー豆を挽く姿は、まるで——


「……まぁ、考えても仕方ねぇな。」


 俺はそう呟くと、湯を沸かし始めた。



 EXY-Z-00が無言のまま、コーヒーを差し出す。


 音もなく、静かに俺の前に置かれたカップ。


 そこに漂うのは、香ばしい豆の香りと、蒸気がわずかに揺れる完璧な表面張力の液面。


 俺は軽く息をつきながら、それを手に取った。


「……へぇ。」


 湯気がゆっくりと立ち上る。


 一口飲んで、思わず唸る。


「……気持ち悪ぃくらいに、完璧だな。」


 まるで職人が手間暇かけて淹れたような、無駄のない一杯。


 温度、抽出時間、豆の焙煎度、すべてが計算され尽くしている。


「……最適化の結果か?」


 EXY-Z-00は無表情のまま答える。


「コーヒーの抽出は、温度94℃、蒸らし時間30秒、抽出時間3分14秒で行いました。豆の焙煎度と粉の粒度に合わせて適切な水量を調整し——」


「あぁ、もういい。そこまで聞いてねぇよ。」


 俺は手を振って制止する。


「ただのコーヒーだぞ?なんでそこまで計算して淹れるんだよ。」


「最適化の結果です。」


「……まぁ、そりゃそうか。」


 そりゃ、機械にとっちゃ“最適解”を出すのは当たり前のことだ。


 ただ、なんだろうな。


 ここまで完璧すぎると、逆に落ち着かないというか——


「……こういうのはさ、もうちょい適当でいいんだよ。」


 俺はカップを回しながら、ぼそっと呟く。


「適当、とは?」


「少しは人間らしくってことだよ。」


 EXY-Z-00は、わずかに首を傾げた。


「人間は、最適ではない状態を好むのですか?」


「好むってわけじゃねぇけど……まぁ、そういうもんだ。」


 完璧すぎるものってのは、どこか無機質で、味気ない。


 多少のブレがあるからこそ、そこに個性が生まれる。


「お前は“最適”を求めるけどな、こっちは“ちょうどいい”くらいが一番なんだよ。」


 俺はそう言って、もうひと口飲む。


 ——やっぱり、美味い。


 文句のつけようがないほど、美味い。


 だけど、それが逆に妙に気に障るのはなんでだろうな。


「……お前、コーヒーミルを使ったの、初めてか?」


「はい。」


「なのに、これかよ……。」


 俺は苦笑する。


 そして、何となく思いつきで、ポツリと言った。


「……よし、お前の名前はコーミルだ。」


 EXY-Z-00の動きが、一瞬だけ止まる。


「……コーミル?」


「そうだ。コーヒーミルから取った。」


 俺はカップをテーブルに置き、ニヤリと笑う。


「それくらいしか役に立たないんだから、上等だろ?」


 EXY-Z-00はしばらく沈黙していた。


 まるでその言葉の意味を処理するかのように、じっと俺を見つめ——


「……。」


 そして、ただ静かに瞬きをしただけだった。



 俺はタンスから適当なシャツを引っ張り出し、さっさと腕を通した。


「どちらへ?」


 EXY——いや、コーミルが無機質な声で尋ねる。


「……あ?」


 俺は顔をしかめながら振り返る。


「人のプライベートにいちいち首突っ込むなよ。」


「監視対象の行動把握は、契約第27条第3項に基づく義務です。」


「……お前なぁ……。」


 俺はため息をつきながら財布をポケットに突っ込む。


「ちょっと仕事だよ。休みの日にも働かねぇと、生きていけねぇんでね。」


「契約第14条第5項に基づき、契約期間中は契約業務以外の副業、それに準ずる業務は禁止されています。」


「……は?」


「本部へ確認します。」


「いやいや、待て待て、確認すんな。」


 だが、コーミルはすでに通信を開始していた。


 ——チッ……こいつ、マジで規則しか見てねぇな。


 数秒の沈黙の後、コーミルが言った。


「本部より、“契約期間中の副業は禁止” との回答を受領しました。」


「……いや、これは副業じゃねぇ。」


 俺は慌てて手を振る。


「これも立派な技術調査だ。ほら、修理技術を磨くためのフィールドワークってやつだよ。」


「契約第19条第4項に基づき、技術調査に関する活動は、本部の判断により許可される場合があります。」


「だろ?なら問題ねぇじゃねぇか。」


「確認します。」


 コーミルはまた通信を開始する。


 しばらくして——


「本部より、“調査の必要性が認められる場合に限り、外部活動を許可” との回答を受領しました。」


「ほらな、結局OKってことよ。」


 俺は満足げに頷きながらジャケットを羽織る。


「……許可されたのは“技術調査”です。」


「そうそう、技術調査。」


「契約第19条第6項に基づき、許可された目的以外の活動は厳格に制限されます。」


「……お前、ほんっとに抜け目ねぇな。」


 俺は苦笑しながら靴を履き、玄関のドアを開ける。


「さぁ、行くぞ。せっかく許可が下りたんだ。時間の無駄はゴメンだぜ。」


「監視対象への随行を開始します。」


 コーミルは無表情のまま俺の後に続いた。


 ——まぁ、これで自由に動ける。


 こいつを言いくるめるのは骨が折れるが、それでもまだまだやりようはあるってことだ。


 俺はトラックのエンジンをかけ、さらに離れの下町へと向かう。


 目的地は古びた老人ホーム。ここ数年で導入された介護ロボットの不調を見てほしいという依頼だった。


 到着すると、玄関先で待っていた施設長らしき爺さんが俺を出迎える。


「いやぁ、悪いねぇ、大場さん。こいつが最近、どうにも調子が悪くてね。」


 指差されたのは、所々塗装の剥げた介護ロボットだった。


「なるほど……。」


 俺はさっそく道具を取り出し、動作チェックを開始する。


 問題は単純だった。経年劣化による関節の摩耗、それに伴うセンサーの誤作動。交換部品を取り付け、ついでに基礎データの調整を施す。


 ものの30分もしないうちに、ロボットはスムーズに動き始めた。


「ほら、治ったぜ。」


「おぉ……! いやぁ、助かったよ!」


 施設長は感心したように頷きながら、ふと俺の後ろを見やる。


「ところで、お前さん……助手を雇ったのかい?」


 俺の背後でじっと立っていたコーミルに視線を向ける。


「ははぁ……監視さ。」


 俺は苦笑いを浮かべながら肩をすくめた。


 施設長は眉をひそめ、「物騒な世の中になったもんだねぇ」と独り言のように呟いた。


 まったくだよ。

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