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No.48 息をつかせぬ連戦


暗闇の中で死闘の末、キリサメに一撃を叩き込む事に成功したジーナ。

そして灯りがつき、彼女達は暗闇から脱した。


ジーナは装置を装着し、サングラスをかけて話し始めた。


「不思議に思ったんだよね。どうやって私達を認識しているんだろって」


キリサメは地面に倒れていた。ボディアーマーは砕かれ、壁に衝突した際にヘルメットも割れている。


そんな彼女が何かをしてもすぐに拳を叩き込めるように、近づくジーナ。


「もし暗視ゴーグルなら装置の明かりはキツすぎだし。温度感知ならもっと早く、それこそ私が暗闇に紛れる所から分かるはず。でも私が背後で動くまで後にいることはバレなかった、だよね?」


(やられた……音を使われた……さっきの銃)


キリサメは地面をコツコツと叩いた。


「発砲音、それと明かり……」

そう呟くキリサメ。


「あ、それもバレちゃった?」

ジーナがキリサメに近づく。


「銃はキビさんから借りたものでね、これを離れた所からバンッてね」

ジーナは銃を取り出す、その銃の引き金部分にはワイヤーが括り付けられていた。


「ワイヤーはあなたから拝借したものを使わせて貰ったよ。これを引っ張ったら発砲できるように。まあ私はシャロたちみたいに、何か作るの普段しないから作動するかちょっと心配だったんだけどね」

(離れたところから銃を操作、音でキリサメの注意ひく)


この作戦において銃はキリサメの注意を引くだけが役目ではない。

銃の発砲時に起きる火花も重要なのだ、そのわずかな時間の明かりでジーナはサングラスの暗視モードを使用、これによりキリサメを目視する事が出来たのだ。


「あなたは音を使って周囲の状況を把握していた、でしょ?あの攻撃する前とかに出す【音声】も相手の位置を特定する為に使ったんだよね?思い返してみれば最初に背後を取った時も攻撃する直前に音声出してたし」


ジーナの読みは当たっていた。

キリサメは生まれつき目が他の者よりも自由が効かない状態だった。

故に彼女は音を利用し狩りをする。



「まあ一回しか通用しないけど。でも一回あれば十分。その装備は私達でいう装置のバリアと一緒でしょ?この空間に長くいる事は出来ないんじゃない?もう明かりはついてる、もう暗闇に逃げる事は出来ないよ」


キリサメは自分のアーマーやヘルメットに触る、もうまともに機能する状態ではない、これではもう長く活動はできない事を確信する。


(ヘルメット、ボディアーマー、両方ダメだ、さっきので体の骨も何本か折れた、この空間じゃ出血が止まらなくなる)


「さて、どうする?」


割れたヘルメットの隙間からキリサメの鋭い眼光がみえる。


「ああ、因みにこっちは今の説明のタイム使って、一番の目的を果たせたから」


ジーナの背後からキビとコウノが現れた。

シャーロットが装置修復を終わらせたのだ。


「抵抗はオススメしませんよ」

「いや、私はすすめるぜ、やられた借りを返せるからな。どうするよ」


キリサメは刀を掴む。


「来るか!」

キビが銃を構え、撃とうとした。


すると突然アラーム音がなり響く。


「時間切れ……帰る」

ぼそっとキリサメはそういって立ち上がる。


「は?帰らせねぇよ、諸々現行犯で逮捕だ」

キビが近づこうとすると、キリサメは小さな筒状の何かを手から落とした。


小さな筒状のそれから、大量の煙が吹き出た。


「っ!この!」

キビが発砲する、しかし既にキリサメの姿はなかった。


「逃げられたか……グッ!イテテ、装置は治っても傷はそのまんまだな。アイツ釣る為に出血量増やしちまったし」


「キビさん!」

倒れたキビにジーナがかけよる。


「大丈夫ですか!?」

「君もかなり無茶をしたんだろ?二人のお陰でだいぶ休めたから問題ない。アイツは逃げたが、ここの責任者はまだいるだろう。捜査を続けないとね」


キビはジーナの肩を借りて立ち上がった。




なんとかキリサメからの襲撃を凌いだジーナ達。


しかし息をつく暇もなかった。


突然部屋の壁が破壊され、一人の女性が現れた。


「なんだ、キリサメはしくじったのか。まあ所詮は金で雇われる殺し屋、最初から大して期待してなかったが」


「おいおい、今度はなんだよ」

キビ達の前に現れたのはカイ・ザイク、この施設の施設長だ。


「初めまして、侵入者諸君、そしてさようならだ!」

カイは、右腕に連結させた装置を起動させる。


「みんな逃げてッ!!」

シャーロットが叫ぶ。


直後、カイの装置から光線が放たれた。


その光線は床を焼き、周囲の機材を融解させ、壁を破壊する。


「なんだあれ!?」

キビ達はシャーロットのお陰でなんとか回避する事が出来た。


「なんてエネルギー量、この施設を覆うバリアもそれで生み出してるの?」

「ほう、こちらにも詳しいものがいるのか。その通り、このエネルギーこそ人類を新たなステージに引き上げる鍵、そして私の幸福を実現させる為のものだ!」


シャーロットの問いに答えるカイ。


「まって、【こちらにも】ってもしかしてユキチカにあったの!?」

ジーナが聞くとカイは頷く。


「ああ、あったよ、この光線も1発撃ったが。なに心配するな、私としても彼は殺せない理由があってね、死んではいないよ。今は追いかけっこをしていた所なんだ。にしても少し遅いな、私の予想ならもうこの場にいる筈なのに。まあいい」


カイが手を上げるとその部屋の壁が開き、そこから続々とアンドロイドが現れる。


「因みに君たちはしっかり殺すからな。この場所を知られた以上はね。いけッ!」

彼女の号令と共にアンドロイド達が襲い掛かる。


「連戦か、楽勝だ!」

キビ達はこれに応戦。


迫りくるアンドロイド達を倒していく。


しかし皆に疲れが見える。


(ど、どうしよ。キビさんもコウノさんもさっきまで出血がひどかったし、ジーナだって装置を付けずに怪我を負った状態で戦ってた。きっと状況は二人とさほど変わらない。アンドロイドの兵がどれほどいるか分からないけど、3人とも長くもたない。私がなんとかしないと!)


そう思うシャーロット、だが彼女にも疲れが無い訳ではない。

先ほどまで極限の状態の中、ジーナを信じて暗闇で一人装置を修復し、施設のセキュリティ突破を行っていたのだ。彼女の精神力はこれにより相当量消耗されている。


「アンドロイドに対してここまで出来るとは。しぶといな、仕方ないこれで一網打尽にするか……」

カイはそう言って再び装置を構える。


「だめだよ」

不意に横から彼女を呼び止める声が。


「ん?……ッ!!?」

カイは何者かに横から殴りつけられ吹き飛んだ。


「ユキチカ!……って、え?!」


ジーナ達が振り向くと、そこにはユキチカがいた。


しかしそこに立っていたユキチカはいつもとは違った。

左腕の肘から先が無くなっており、金属のパーツが露出している。


「大丈夫なのユキチカ!?」

「そっちも色々あったみたいだな」

シャーロットとキビが彼をみてそう言う。


「うん、ちょっと腕が無くなっちゃったけど。だいじょうぶ!」

ユキチカはガッツポーズをとった。


「すこしばかり遅いんじゃないか?さては何かしていたな?」

起き上がりながらカイはそう言う。



「シャロッ!」

ユキチカはシャーロットになにかを投げ渡す。


「っと、これは?」

「それを使えばアンドロイド止められるよ」


ユキチカに渡されたのは小型のメモリー端末だ。


「分かった!」

シャーロットがその端末を自身の端末に接続する。


それから彼女が端末を操作すると、アンドロイド達は機能停止しその場に倒れてしまう。


「これで人数差は逆転だな」

「無駄な抵抗は辞めて投降してください」

キビとコウノが残ったカイに銃を向ける。


「私のコンピューター内部の情報から作ったのか?まったく人のプライベートなものを覗き見るなんて、行儀の悪い子だな」


カイはそう言って余裕の表情を見せる。


「人数差と言ったな、だが君たち5人のうち3人は重傷、一人は戦力と数えるには少し乏しい、そしてもう一人は片腕の状態。大した差には思えんがね」


カイは腕の装置との接続を解除し、白衣を脱いだ。

機械化された彼女の肉体が現れる。


次の瞬間、カイは一瞬でキビとコウノに接近していた。


「なにッ!!」

「しまった……!」


「所詮、君らは旧世代の肉体を持つものだ、数に入らんよ」

コウノを裏拳で殴り飛ばし、キビの傷口に手を突き刺していた。


殴り飛ばされたコウノは気絶し、キビは苦悶の表情を浮かべている。


「ッ……テメェッ!!」

痛みに耐えながら銃をカイに付きつけるキビ。


「無意味だ」

手を引き抜き、掌底を食らわせるカイ。


「……ガァッ!」

そのまま大きく後方に飛び倒れるキビ。


「さて、武装した二人はダウンだ。あとは子どもの君たちだけだな」


カイはキビとコウノから奪った拳銃を構えて、ジーナとシャーロット、そしてユキチカにその銃口を向けた。



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