No.112 ガンマ
ガンマとの戦闘を開始するブルズアイ。
「神よ、この弾丸に祝福を与え給え!」
「よっと!」
相手の銃弾を避け、発砲するブルズアイ。彼女は弾道を曲げて予測困難な銃撃を繰り出した。
「ぬ!弾丸の軌道を変えるのか。面白いな」
「やっぱり硬いな」
ガンマは弾を受けても軽い傷程度しかつかない。
「バベッジ隊長殿から授かったこの鎧に傷をつけるとはやるな」
「アーマーピアシング弾でも少し削るくらいか」
ブルズアイは銃を二丁構える。
「なら大量に叩き込んでやる」
「良い兵士の目をするな、素晴らしい」
「兵士に良いも悪いもあるかよ」
ガンマの言葉を聞いて鼻で笑うブルズアイ。
「銃で私に勝てると思うなよ」
「銃は等しく鉛の説法を綴る!」
祈りを捧げ銃を発砲するガンマ、ブルズアイは弾丸を躱す。
「銃は!」
次弾を放とうとするガンマの眼前に迫るブルズアイ。
「水面打ち」
「なんだ?身体が……!」
彼女は掌底をガンマに食らわせると彼の動きが止まる。
「身体を改造していようとも体内に液体があればいい。その動きを鈍らせた」
ブルズアイは相手が落とした銃を拾い、弾が装填されている事を確認する。
「チェックメイトだ、軍人ヤロー」
身動きが取れないガンマの頭部を彼女は撃ち抜いた。
頭を撃ち抜かれた彼は倒れる。
離れた距離で壁に耳を当てるブルズアイ。そして彼女は倒れたガンマに背を向けた。
「……っと!」
次の瞬間、彼女は壁を蹴って大きく移動した。直後に壁が大きく抉れる。
「死んだフリが上手いんだな」
振り向くとガンマが不自然な姿勢で立ち上がってきていた。
(頭を撃ち抜いた、脈も確認した。やつは確実に死んだはず)
「素晴らしい、いや俺も今知った、授かりしこの身体の素晴らしさを」
ガンマは自らの身体を見ていた。
すると彼にバベッジから連絡が入る。
「こちらバベッジだ……ガンマ、ソードの使用を許可する」
彼の装備の一部が展開し、中から剣が現れる。
「……隊長殿、その言葉に最大限の感謝を」
口角を吊り上げるガンマ。
彼はブルズアイに斬りかかる。
「ッ!?」
後方に飛び下がるブルズアイ。避けたと思った彼女だが、アーマーに傷がついていた。
(速ッ!?この殺気、本命はこっちかよ!)
時は遡り、場所はバベッジの研究室。
「ガンマ?誰ですこの男は」
「第二次世界大戦を生き延びた兵士だ」
ヴァ―リは資料をバベッジにみせた。
「資料に記載されていた名前は消されていた、彼自身も昔の名前を忘れたらしい。アメリカで生まれ育ったそうだがわざわざ戦争に参加するためにイギリスに向ってそこで兵士になったそうだ」
その資料に関して話を続けるヴァ―リ。
「訓練兵時代、奴の射撃能力は極めて低かった。だから当時の教官に”神様に当たるように祈って撃て”とそれを実践して以来射撃の腕が平均並みになったそうだ」
「そして来たる実戦、彼は言われたとおりに銃を使い敵を殺していった。敵の数は想定より多く弾薬が尽きた、手元にあるのは銃剣のみ、それで敵兵を殺した時、彼の中にいた怪物が目を覚ました」
「以来彼は剣をもって敵陣に特攻し、多くの兵士を斬り殺したそうだ。その姿は敵味方問わず恐れられた」
ヴァ―リは一本の動画をみせ、彼がガンマになぜ剣を使うのかを質問していた。
「憎き敵の死を確かなものにしたいのです」
彼はそう答えた。
「それを聞いていよいよ奴が正気ではないと思った上官は奴を狙撃部隊にいれた。狙撃をする間は教官の教えを守り、祈りと射撃にのみ意識を向けるからな」
「なるほど、それで化け物を飼いならしたのか」
バベッジが資料をみる。
「だが奴はもう銃での殺しで満たされない。奴は狙撃部隊からより危険な特殊部隊への移動を志願した」
「それでどうして氷漬けに?」
資料の中にコールドスリープ状態の彼をウルティメイトが施設から運び出す光景が映されていた。
「これはとある軍が秘密裏に所有していた研究施設から回収したものだ。奴は自分の部隊と共にここを襲撃、激しい敵の抵抗により部隊は自分を除いて全滅。その時再び奴の化け物が放たれた」
ヴァ―リは当時の施設にいた者達の通信記録などを流した。
「施設に居たものは死物狂いで奴を研究所の一室に閉じ込め、そのまま凍結させる事に成功したのだ」
「なるほど興味深い、随分と危険な人物を私の部下につけるじゃないか」
バベッジはこう言っているが既に彼はガンマに強い興味を持ち始めていた。
「奴は上官の命令には絶対に従う。お前は今日から奴の隊長だ。剣を使わせなければ問題ない」
ヴァ―リはバベッジにそう伝える。
「バベッジ隊長!見ていてくだされ!この私、ガンマが敵を殺して見せましょう!」
ガンマは嬉々として剣を振るう。
「……!あんたの隊長にも色々と聞きたいことがある。ここは本気で行かせてもらう!」
複数の弾丸の軌道をカーブさせ、追いこもうとするブルズアイ。
しかしガンマはそれらの弾丸を回避した。
(なんて反射神経してんだ?!発砲された弾道にいる事に気づいてから避けたぞ!)
剣を構えてガンマは笑っている。
「銃なんか捨ててかかって来い。そんなのじゃ俺は殺せんぞ」
「嫌なこった」
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