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紙飛行機にして、駄文を飛ばした

作者: 下菊みこと

紙飛行機にして、駄文を飛ばした。


過去に書いた誰かのための詩。


『嫌いでもいいのです


憎くてもいいのです


許せなくてもいいのです


きっと、その気持ちは誰にも肩代わりできないものなのでしょう


陳腐な慰めなど耳に入らないほど、鋭く痛いものなのでしょう


ならば私が、そんなあなたごと全てを愛しましょう


あなたが自分を嫌いな分だけ、私があなたを愛しましょう


あなたが自分を憎む分だけ、私があなたを愛しましょう


あなたが自分を許せない分だけ、私があなたを愛しましょう


あなたはありのままでいればそれでいいのです


負の感情は肩代わりしてあげられなくても、惜しみない愛と祝福をあなたに捧げることは出来るのですから


もう、無理をして自分を好きになろうとしなくてもいいのです


もう、無理をして自分を愛そうとしなくてもいいのです


もう、無理をして自分を許そうとしなくていいのです


ありのままの自分を、どうか許してあげてください


それはあなたにしかできない許しなのですから


そうしていつか、こんな詩を忘れるほどに幸せになってください


そうしていつか、こんな詩もあったなとふと思い返してみてください


どうか、あなたに惜しみない希望と慈しみが溢れますように』


甘い甘い理想の言葉。


私が、欲しかった言葉。


それはよりにもよって。


好きな人の後頭部に突き刺さった。


窓を見る彼。


目が合う私たち。


彼は嬉しそうにこちらに手を振る。


私はワタワタと慌てる。


彼はあろうことか紙飛行機を広げた。


その内容を見た彼は、こちらに走ってくる。


彼は大声で叫んだ。


「俺には上手く言えないけど、いいと思う!」


私は恥ずかしさで撃沈した。











しばらくして、彼と並んでいつものように帰る。


彼はまだ言う。


「俺さ、あの紙飛行機好きだよ」


「まだ言う…」


「だって、俺は救われた」


「え」


彼は言う。


「好きだよ」


それはどの意味だろう。


答えずにいたら、真剣な目で見つめられた。


「お前のこと、だよ」


「…!」


「あんな照れ臭くて、でも優しいの、書くことが出来るお前が好き」


「…ありがとう」


そっと息を吸って、吐いた。


そして言った。


「私も、好き」


この恋が成就するなんて思ってなかったのに、思わぬところで成就した。


詩を書くのを諦めていた私を助けてくれたのは、他でもない詩だった。


その日は初めて、手を繋いで帰った。


ここまでお付き合い頂きありがとうございました!


楽しんでいただけていれば幸いです!


実は作内での詩は、小説家になろう様で昔投稿した詩です。


紙飛行機という題材で、何故か思い出しまして…引っ張り出してきました。


この女の子は、詩を書くのを半分諦めていた子ですが…今回過去に書いた詩に助けられる形で恋が成就しました。


詩はやはり、誰かをいつか助けてくれるものなのでしょう。


この子がいつかまた、詩を書けたら嬉しいですね。


ここからは宣伝になりますが、


『悪役令嬢として捨てられる予定ですが、それまで人生楽しみます!』


というお話が電子書籍として発売されています。


よろしければご覧ください!

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