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青年の屈辱  作者: 船五郎
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受験生になった勇樹

勇樹は受験生になっても、動物や本に夢中になる。

勇樹は中学3年生になった。受験シーズンを控え、虐めはいくらか緩くなった。

勇樹はしきりに犬を欲しがった。家庭内暴力もエスカレートしていった。

とうとう根負けした母親は、勇樹に勉強するという約束で、犬を飼ってやった。柴犬の雑種で、知り合いの人から譲り受けたのだ。勇樹は「テツ」と名付け可愛がった。

勇樹はテツを夜に散歩させた。自分が犬を飼った事をクラスメートに知られたくなかったからだ。


勇樹はこのころから、自分が考えていることが周りの人に漏れているんじゃないか、と感じるようになった。自分の思った事を誰かが言うのだ。


勇樹は母親との約束を守らず、受験生なのに全く勉強しなかった。

勇樹は図書室で借りた「静かなドン」という本を読み感銘を受けた。以来彼は読書にのめり込むようになり、勉強そっちのけで本を読みあさった。


クラスメートで、城田典子という女子生徒が、勇樹に気があるのか、やたらと勇樹の体に触れてくるようになった。勇樹は薄々感づいていたのだが。


勇樹の姉はそのころ短大生になっていたのだが、家に彼氏を連れて来るようになり、勇樹にも会わせようとした。しかし勇樹はそれを拒否した。


いよいよ受験間近になると母親や担任は、勇樹の進路の事で話し合うようになった。勇樹は姉と同じT高に行きたかった。自宅から近いからだ。

実は勇樹には心臓に疾患があり、中一の時に検査にいったことがあるのだが、その時は不整脈と診断された。高校生になると体がついていけなくなるかも知れない、と言われたので、なるべく体に負担の少ない近くの高校に行きたかったのだ。しかしT高は勇樹にはレベルが高すぎ、偏差値が見合わなかった。

心配した母親は家庭教師を雇った。しかしその家庭教師も勇樹に「お前やる気があるのか」と言った。勇樹は「ありません」と答えた。母親は家庭教師も断らざるをえなくなった。

勇樹は将来的に動物園の飼育員か、調理師になりたかったのだが、しかし勇樹の学力では無理だった。

勇樹の担任は勇樹の自宅に訪ねて来た。母親と3人で話し合い、最終的に高校には進学しないという結論に至った。

高校受験が迫る中、ろくに勉強もせず、母親や担任の心配を呷った勇樹。彼に進路はいかなるものになるのか!

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