夕日はひとつ

　　　　　　黄昏れる

　　　　　　夕日の余韻

　　　　　　人の流れに淀んだ

　　　　　　言葉の澱が

　　　　　　空っぽの胃に落ちる

　　　　　　時の破片が

　　　　　　ひとつだけ

　　　　　　赤く染まり

　　　　　　トンボの羽根を

　　　　　　伝わらないまま

　　　　　　過ぎてゆく

　　　　　　茜色の消化液

　　　　　　饒舌の分だけ

　　　　　　分泌する

　　　　　　夜が明ければ（また）

　　　　　　失ったものを

　　　　　　奪い合う

　　　　　　憧れる

　　　　　　夕日は一つ

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