表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

〚虹色のティアラ〛

親愛なるTiLAさんへ捧げる、童話風の詩です……

それは心に雨が降った後

彼女の髪に輝いていた

雫のティアラだった


透明のダイヤモンドみたいな宝石のティアラ


キラキラ輝くティアラ


僕は、素敵ですね

とその髪飾りを褒める


「Really?」


彼女は驚いた様に髪に手を当てる


金の髪に、碧い瞳の彼女は

妖精だった


彼女とは、この間も、心に雨が降った後に出会った


不思議な出会いだった


此処は、何処ぞともつかない、不思議な空間


語学に堪能でもない僕でも

彼女が「本当?」と言ったのが解った


透明なオーロラ色の羽を震わせて笑った後

彼女はふと僕の頭を指差して何かを言った


残念ながら聞き取れなったが

僕はとりあえず頭に手を当てた


硬いものに触れた


手に取ってみて見ると

それは()()()()()()()だった


男の自分には、到底似合わない物


鮮やかなルビーの赤色

マンダリンガーネットの弾けるオレンジ色

希望の光のイエローサファイヤの黄色

穏やかなエメラルドグリーンの緑色

海の色のタンザナイトの青色

沈む夜の色のインディゴライトの藍色

夜明けの色のアメシストの紫色


七色の宝石の様な煌めきを秘めた

ティアラだった


僕は思った


このティアラこそ

彼女に相応(ふさわ)しい


僕はシンデレラの王子の様な気分になって

彼女の前で片膝を折った


彼女が首を傾げた

どうしたの? と


彼女の美しさをいざ前にすると

緊張する


真っ赤になって僕はティアラを差し出す


言葉は見つからない


彼女は頷き

僕の意思を汲み取って

自分のティアラと虹色のティアラを交換してくれた


虹色のティアラを頭に抱いた彼女は

妖精の女王の様に気高くそして美しかった


そんな彼女に僕はたどたどしく言う


「I`d like to know your true feelings.」

(君の正直な気持ちが聞きたい)


彼女が目を見開く


そして蕾が綻んだ様な花の美しさで微笑んで


一言、くれた


それで僕は充分だった


虹色のティアラがキラリキラリと光って眩しかった


僕は目を閉じた彼女の(おとがい)にそっと手を添えて、顔を近づける……




後に、同じ様に透明の羽が生えた僕に

彼女は語ってくれた


「I nearly wept for joy.」

と……


僕が彼女と同じ国の住人になる為には

幾つもの試練が必要だったが

此処で語る必要は、きっとないだろう……



~Fin~





お読み下さり、本当にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 素敵な、綺麗な、可愛い詩でした! 読ませていただき、ありがとうございます!!
2021/06/10 23:41 退会済み
管理
[一言] 素敵なお話でした!ティアラきっと誰もそれを持っているのではないでしょうか?ほら。あなたの頭にも・・・
[良い点] まほろさん  素敵な作品をありがとうございます。  感激です!☆*:.。. (//∇//)‬  性別不詳だったころのTiLAとのペンネームから想像されたイメージとのこと。面はゆい限りで…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ