祟り神の巫女 共通1
ある村では神の妻になる娘を決める会議が開かれていた。
「高慢なレグナス女公爵の娘はどうかしら? 邪神には似合いよ」
「そりゃ私怨だろ」
「ここは魔法学校で不真面目な態度をとった者にしよう」
利口な子は生かし、愚鈍な子を食わせる。
要するにごみ箱といったものだろう。役立たずは生まれてすぐ殺すべきだ。
この年まで生かしておいたことに感謝してもらいたい。
村の老婆集は何人が生き残るか、冷めた眼で娘達を眺める。
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「ルーテル、君は今日もかわいいね」
「ありがとう先生。嬉しいことには変わりないのだけど………
それ、皆に言ってるでしょ」
「ルー。イケメンで女タラシの先生が従兄なんて最高ね」
「どこが? ヨ―ロピアス連合民はイトコ婚できないのよ」
イトコ婚出来るテラネス民が羨ましい。
「同じ姓同士は結婚できないチャイカ民通ります」
「なんかごめん」
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魔法学園は魔法使いを目指す者だけでなく、将来の結婚相手を探す場所でもある。
所謂現代の社交界のようなもので、本来の勉学より家や国の勢力争いの場と化した。
「いいこと、このワタクシは聖天団の次期トップですのよ!」
「はいはい、どうぞどうぞ。私はトップになるつもりないからお好きになさって」
それは星公認の宗教団体も例外ではなく。
貴族の一人娘で教団への出資が高いことを誇るアンリエッテと
やる気のない少女ヴァニステスの二人は次の教祖を廻っていた。