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天文学 共通1
数々の国で行方不明者が多発し、どの事件でも犯人はが捕まらない時期があり、政府の陰謀、あるいは神の罰、あらゆる憶測が飛び交ったが、一部は無傷で同じ場所に返された。
「この事件、解決できるものはいるのだろうか?」
広大な海と城壁に囲まれて、侵略こそないが閉鎖的で進歩のない王国。
地図には一切の情報が載っていない。どうやってその国へ入ったか、どうやって出たのかもわからなかった。
「ほんとにそんな国があるなら、どうにかなりますよ」
「本当に存在するなら、の話だろ」
しかし国から出たものはその事実のみを覚えている。存在は間違いないのだった。
■■
「犯罪に興味はおありですか?」
「噂には聞いていましたが……そういう感じなんですね!」
女の一言に男は引いて、脱兎のごとく逃げ出す。
「今日は1分も持たなかった。つまんないな」
女はアイスティーをストローでかき混ぜ、氷のカラカラという音で遊ぶ。