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26時間のタイムラグ 共通1
西暦20××年、まだ平成の時代。こんなことが起きていた。
王子の来日、数名のSPによる極秘任務。彼らの目的は、彼ら自身もわかっていない。
「なあ、新作描いた! 読んでくれよ」
「アメリカ育ちの主人公のIQ1500……いかにもバカの考えそうな設定だな」
「相変わらず手厳しいぜ……」
「席に就けー!」
「わっ! 先生来た!」
「今日は転入生を紹介するぞ」
「十六夜チヤです。アメリカで暮らしていましたが、
仕事の都合で戻ってきました! よろしくお願いしまーす!」
「アメリカ……!これは、運命!?」
「マハト、うるさい」
■■
「ねえ彼氏いる?」
「ハーフ?」
転入生が皆から質問攻めってホントにあるんだ。
ころころとクラスメイトが順番で質問してくるのをさらっと返す。
「あの、オレは碁江マハト、こいつは……」
「檜皮ムゲン。以上」
ほかの人とは違い、質問ではなく自己紹介されてしまった。
「よろしくね!」
「うん!」
マハト君は笑顔だが、ムゲン君は乗り気でない。
海外の人はフランクだが、日本人はほとんどこういうものだろう。
「