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トラバルト 1



「男を殺してきなさい」

「でも!」

「そうしないと生きられない」


ママがそう言うけれど、そんなの私じゃ無理だよ。


「一人殺せるようになるまで、魔力を封じるわ」



家を追い出されて森を彷徨って、夕刻になればもうこのあたりに歩く人がいない。

人里に下りれば彼らが魔族の私に怯えてしまう。



「お前は何者だ!?」

「若い人間! 魔力を……少しだけ、いえなんでも」


冠をつけた王子様に声をかけられて、どうしたらいいかわからなくて私は気絶してしまった。


「誰かいるか!」


目を覚ますと知らないきれいな絵の天井があった。

知らない部屋の窓から覗くのは、夜空に星が沢山ある圧巻の光景。


「目を覚ましたようです」

「よかった」


気難しそうな水色髪の青年が、王子様に報告するとこちらに笑みを浮かべる。


「ありがとう人の国のプリンス」

「衣服から魔族のものでも高位と見受ける。なぜそのような衰弱を?」


賢人と思われる清貧な装束の男性が私に問う。


「母に修行をせよと半分の力を封じられ、補給も物質たる食事ではないので」

「獅子は子を滝に落とす。というやつか」


エルフの少年が、なぜここにいるのだろう。

この国が異種族と交流のある国なのか、私を見ても恐れる様子がない。



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