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怪盗 共通1
「せんせ、だーいすき!」
女子生徒ルシェッタ・ボルディオンは新任教師ヴァノ・ ビッツェの背中に抱きつく。
異性に軽々しく密着など歴代のアホ女子すらやらなかった事だった。
「君には婚約者がいるんじゃ……」
「先生がめっちゃ好み! てへっ!」
ルシェッタはブリっ子ポーズをキメて去っていった。
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「首尾はどう?」
「ターゲット補足完了、不審な動きは見られません」
私は先ほど、彼に発信機をつけた。
この学園は父が経営しており、敵校のスパイかどうかを探るため。
……というのは建前である。
彼が世間を賑わせる怪盗ではないか、という疑惑からなのだ。




