バカ子ちゃん
「おはよーフェルせんせえ!」
「おう、おはよう。朝から無駄に元気いいなファルファニーラ」
これが若さか……、とわけのわからないネタをやり出す教師に教室が涼しくなる。
「授業はじめるぞー」
担任教師フェルヘルムは独身でフィエール軍国の中佐の家柄。
おまけに優しく顔もよしで、狙わない女子はいない。
「やっと授業おわったぜ」
「今日こそあの子に告白だ!」
クラスメイト達はわちゃわちゃと帰宅の準備をする。
この学園は他校のような部活動がない。そのおかげで生徒には自由時間がある。
「わー! お菓子がいっぱい!」
ファルファニーラはフェルヘルムに呼ばれて生徒指導室へ訪れた。
「ヤバい薬入ってるから食うなよ」
「もったいない……そうだ! そこらへんの虫さんに食べさせてみよう!」
「……虫が巨大化したらどうすんだ?」
「やめときまーす」
「ところで、私はどうして呼ばれたんですか?」
この前のテストの点数が悪かったのかな?
「……成績が悪いとかじゃないんだ。こんなこと言いたくないが、
お前をよく思わないやつがいてさ」
「わ、私を目の敵にしてる人が!?」
「お前と二年生のルヴァードが付き合ってるって噂があるんだ」
「誰ですかそれ! 付き合ってないんですけど!?」
「それなら俺から言っておく」




