こころが 共通1
5月は魔法学園の入学式があり、困った新入生が入る時期である。
入学式が終わり、一年生の登校日を迎えた。
「せんせーはろー」
「うんハローハロー」
青い髪の先生は私が変な挨拶をしたらノリ良く返してくれた。すごくうれしいと思った。
今年も変な子ばかり来ちゃったなあ。と苦笑いを浮かべている。
教師は大変だなあ、早く座ってご飯食べたい。どの店が安いかな、って毎日そんなことを考えるんだもの。
「またね!」
「おう! (あの子が例の邪教団員の一人だったか結構普通だな)」
普通なんて心でもいわれたことないから、胸がすごくおかしい。
そう思われて、うれしいって気持ちなのかな?
「あれが邪教の信仰者の一人か、あれなら問題ないじゃないか」
「問題オオアリクイですけど?」
「右に同じく」
「あの子、僕と同郷です。先輩の思考をガッツリ読んでました」
ラブラクア人の大半は桃の髪をしており、他者の思考を読み取る特性を持つ。
能力には個人差があり、強い能力を持つのは一部だという。
始祖の血を強く持つものなら完璧に制限なしで読めるが、
彼は平民なので読まれていたという感覚が分かる程度だ。
基本的に同族の心は読み取りにくく、やはり王クラスでなければ無理だ。
「凶暴な信仰者よか無害の変わり者のほうがいいだろ」
「本当に無害ですかね?」
教師ネフテールは湿り海苔タイプのおにぎりを食みながら眉をひそめる。
「今までもヤッバイ組織のお嬢とか王族に教祖候補も無事卒業しただろ」
教師ディストアールは手をヒラヒラのさせ、楽観的な態度をとる。
パリパリの海苔を剥がして白米にかじりついた。
「あれは怖かったですね」
「同意」
「俺、海苔キライ。誰か食う?」
「いらない」




