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男女比が狂った世界でのハーレムサバイバル!

今日は散々な日だった。上司には怒鳴られ会議には遅刻し挙句の果てには残業で終電をのがす始末。


アーやってられない。


何処かに美人で金持ちでも落ちていないかな。やけ酒をあおりながらしょうもないことを考える。お願いです。誰か養ってください。


この際贅沢は言いません。年下のツンデレツインテールでも知的クーデレお姉さんでも構いません。出会いが欲しい。


はてさて、どうしたものか。


…そうだ!電車が出ないのなら歩いて帰れば良いじゃん。


なんて我ながら天才。ジーニアスでありまするよー。


フラフラと酔いの回った体で帰宅の道のりに進む。見慣れない街中をグーグル(神)のお導きに従って歩むこと1時間、気づけば住宅街に迷い込んだみたいだ。


おかしいな、ちょっと前までは電車線沿いに歩いてたはずが、そろそろ限界かも。


日頃の運動不足が祟ったのか足は鉛のように重く、肩も腰も痛い。何もかもがメンドくさい。この際そこの祠で寝っ転がろう。


見るからにもう長い事ほったらかされた祠を見て自分の現状を想い重ねてしまう。誰にも必要とされず。このまま朽ちていく事を考えると他人事とはおもえない。


「まあ、つまらないものですが。」


手に持っていたビールの空き缶をお供えする。ゴミ箱が見あたらず、かと言って染み付いている小市民根性が酔っ払っていてもポイ捨てをさせてくれなくて、ついつい持ち歩いていたものだ。


空き缶様よ、ぜひ神様とのセカンドライフを楽しんでくれたまえ。


「うむ、苦しゅうない。大義であった


…って空ではないか!」


歳若い女の子の声が頭の中に鳴り響く。


辺りを見渡すが誰もいない。


いけない。幻聴なんて末期だ。そんな不安を肯定するかの様に世界が歪み始め、目眩と吐き気に襲われだした。


おのれ、神め、せっかく空き缶をお供えしたのに恩を仇で返すとはなんたる仕打ち。


堪らずその場に崩れ落ちる。


硬いアスファルトとの遭遇を果たす前に意識は闇に沈む。


薄れる思考はこちらに向かってくる微かな足音をとらえ…


ーー


眼が覚めると布団に横たわっている自分がいた。


おかしいな、自宅のボロアパートではベッドのはずだ。それに俺の部屋はこんなお座敷じゃないぞ。起き上がればそこには白髪赤眼のセイラー服美少女…いや微(笑)女いた。


「お主、何か失礼な事を考えとるじゃろう。」


うわー。厨二病患者がいる。BBA言語は2次元だけにして下さい。実際に会話をしてみると自分の黒歴史を思い出しそうでコッチへのダメージが半端ないです。ハイ。


「まあ良い。喜べ、酒を奉納してくれた礼に異世界に転生させてやろう。」


厨二がなんか言ってるが此処は関わらないのが吉。


「あー、看病ありがとうございました。」


即、布団をたたみ礼を言い障子に手を掛ける。


「ちょ、ちょっと待たんか!」


惜しかったな微(笑)女。もう少し美人であればそのごっこ遊びに付き合ってやったものの。構わず外に出るための一歩を踏み出し…


何故か同じ部屋に踏み込んだ。


え?


え!?


「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!


俺は今外に一歩踏み出したと思ったらいつの間にか中に踏み込んでた。


何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何をされたのかわからなかった。」


まさかあの伝説の台詞を3次元で言う羽目になるとは。


「だから言ったであろう。待てと。」


美少女(笑)が偉そうに腕を組んでこちらを睨みあげる。


「そう言えば自己紹介がまだであったな。妾はマガミチツヒノカミ。少し前までは此処の氏神だった者じゃ。」


「氏神?」


「うむ、地域の神様じゃな。それでじゃな、神酒を奉納した礼にお主を異世界転生させてやろう。」


あれか!某有名小説サイトでよく出てくる。おれtsueeeか。


イヤ、待て待て、五年生の時に翔子ちゃんにされた事と高三の時に佳子ちゃんにしでかされた事を忘れたのか!?



しかもこの自称神様はあの二人よりランクが幾分落ちるぞ!



よく見ると自称神様の手にはさっき捨てた空き缶が。


…罠だ。空き缶一つで普通、神様がご褒美くれるか?思い出すんだ。奴は何と言ってた? 確かビールの缶が空で怒ってなかったか?


という事は異世界転成は罠?


これは天罰なのか? それならナゼ問答無用で裁きを下さない?


ダメだ情報が足りない。もっと…もっとこいつから情報を引き出さねければ。コイツの名前なんだっけ?もどかしい。とりあえず面倒だから持ち上げておこう。


「麗しき神様。私めの様な者に御尊顔を拝し奉り、恐悦至極に存じ奉りまする。」


確か時代劇のおべっかがこんな感じだったっけ。


「かかか!そちは見所があるではないか。人の子はぶんをわきまえねばならんのに最近の者共はそこが分からんものが多くて困る。」


あ、なんかクリティカルヒットしたっぽい。取り敢えずこいつを喋らせてみよう。


「この前もそんな輩が来よってな、人身御供を止めよなどとぬかしおってからに。たかが50人、100人間引きしてもすぐ増えよる癖に。」


(マジかよ。)


「あれは他の神々に売ると利益が出るんじゃ!儂が自分の氏子をどう扱おうと儂の勝手じゃろうに封印などしおって忌々しい。」


(何処の誰だか知らんがグッジョブ!)


ヤバイ。厨二だと思ってたらこいつ、マジもんの邪神じゃないですか。やだ~モー。


「そこでじゃ。妾の神気もそろそろ心許ないのでな。そちの魂を有効利用してやろう。妾の糧となれる栄誉を授けよう。」


邪神がふんぞり返りながら物騒な事を呟いてくる。あ、これ、俺死ぬのか。







気がついていたら邪神に殴りかかっている自分がいた。






窮鼠猫を噛むとはよく言ったものでまず油断しているところを渾身の右ストレートで頬を撃ち抜き、邪神が倒れたところを無我夢中でマウント。


後は体格差を利用して体重を乗せた顔面へのラッシュ、ラッシュ、ラッシュ。


「ちょ、」


ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ


「や、やめ」


ラッシュ、ラッシュ、ラッシュ


邪神が泣きだすまで殴り続けた。


どうしてこうなった?

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