18-①邂逅
ゲームセンターからファミレスまでは、走って十分もかからなかった。ほぼ全力で走り続けたユウキだったが、希望を見つけた彼の足は最後まで軽やかだった。
「見つけた」
明るく呼び止めるユウキを尻目に、見つけられた加賀は逃げるように店内に入ろうとした。が、ユウキは彼の腕を掴み引き留めた。
「設楽君か。こんなところで何してるの」
連れを先に入店させ、加賀は微かに怯えたように顔を強張らせる。ユウキの顔色を窺う。
「頼みがあるんだ」
うろたえる同級生に、彼は真摯な眼差しを送った。
ユウキが店に入りたがる加賀を引き留め、今日の出来事を話して聞かせると、彼は一転してあからさまに疎ましい雰囲気を出し始めた。それは彼がいつも学校で見せている社交的な笑みとは対照的な、倦怠感の漂う表情だった。
「頼むよ。俺がお酒を飲んでないのも、タバコを吸ってないのも、知っているのはアカネとお前だけなんだから」
ユウキは同級生に自分の無実を証明するよう改めて頼んだ。すると加賀は一瞬、安堵の表情を見せたかと思うと、一変して顔面を怒張させた。
「それって俺に自分がタバコをやってたことを自白しろってことだよね? 代わりに停学になれって? 俺この前、一回なってるからさ、今度なにかあったら停学どころじゃすまないかもしれないんだけど」
怒りが湛えられた加賀の眼差しに、思わずユウキは怯んでしまう。
「君は自分だけ助かろうとしているんだよ。俺のことを犠牲にして。俺みたいな落ちこぼれなら何度停学になろうと構わないだろうと思って見下しているんだ」
加えて同級生は彼のことを断罪してきた。ユウキはその言葉を額面通り受け取り、自分の中でそういう気持ちがあったのか省みるが、気が動転してうまく考えられない。
「自分の無実を証明するために、俺のことをチクろうだなんて、サイテーだな」
そして追い打ちのように放たれたその言葉で、彼の頭は完全に動きを止めたのだった。
「もういいから帰れよ。もう、二度と俺の前に現れるな」
傷つき歪むユウキの顔を見た加賀の表情は、皮肉に明るかった。同級生は縮こまる彼の横を悠々と通り、ファミレスのドアに手を掛けた。
「あれ、まだ入ってなかったんだ」
そこへナナが現れた。
「おい、どういうことだよ」
不穏な声を上げたのは、中條だった。




