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15-①幼馴染の萎んだ背中

 その日のアカネは押し付けられたクラス委員の仕事を片付けた後に学校を出た。部活のない生徒はあらかた帰宅の途についていたので、校門を出るまで知り合いには誰にも会わなかった。

 なのに、なんでいるのよ。だから前方にユウキの姿を見つけた彼女は、はじめにそう思った。昨日、気まずいまま別れてしまったところもあり、こちらから声を掛けるのも気が引けて歩幅を狭める。が、アカネはすぐに違和感を覚えた。いつもあいつには、小走りくらいでついていくのがちょうどいいのに、今はゆっくり歩いても背中は大きくなっていく一方だ。よく見ると背を丸めて足を引きずっているようにも見える。

「ケガでもしたの」

 結果的に小走りで駆け寄り、たまたま通りかかった風にアカネは訊いた。振り向いたユウキは、彼らしくない思い詰めた表情をしていた。どうしたと訊いても、首を捻って話そうとしない。思い出したように足を数歩動かすと、また止まってしまう。

「気分でも悪いの? ちょっと座って休めば」

 さすがに心配になってそう勧めるも、ユウキは曖昧に首を振って応えるだけだった。校門を出る際、野球部は練習を行っていたから、ユウキは部活を休んだことになる。バカは風邪を引かないという迷信を地で行く彼が病気に罹っているとも思えなかった。それならケガか。そう考え、ポケットに突っ込んであった手を引っこ抜いたが、別状は見て取れない。歩みは遅くとも、足を痛めている素振りもなかった。

「もうなんなのよ。はっきりしなさい!」

 しばらく付き添って黙々と歩いたが、煮え切らない態度に苛立ちが募った。彼女の叱咤に彼はようやくアカネを見て、重い口を開いた。

「おれ、停学になっちゃった」

 呟くように零したその言葉に彼女は耳を疑った。寝耳に水というのはこういうことを言うのではないのか。確認のため、停学、と繰り返すと、停学、と彼は続ける。

「何かやったの」

 その問いに、事のあらましをユウキはポツポツと語り始めた。

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