その1
「んん……寒いなぁ」
正月も近い師走の朝、布団の中で俺は呟いた。
「なんで冬っつーのはこんなに寒いんだ? ……っとしょんべんしょんべん」
布団を抜け出し、トイレへ向かう。
ズボンとトランクスを下げ、便器に腰掛ける。
「今日で冬休みの課題終わらせるかなぁ。……ん? 何で俺座りしょんしてんだ?」
そういえば股間が軽いな。と思いながら、下に目を向ける。
「……なんじゃこりゃあぁぁ!」
俺の目に写ったのは、毛一本生えていない滑らかな恥丘だった。
「んあー、どうすっかなぁ……。今まで着てた男もんはでかくて着れないし、かといって姉ちゃんのをずっと借りるってのもなぁ」
だらりと机にもたれて、どうするか考える。
うちにゃ親は居ないし、たった一人の姉は単身赴任だし……。
「服は当分姉ちゃんのを使うとして、取り敢えず下着でも買いに行くかな」
シャワー浴びようと浴室へ向かう。男物のパジャマを脱いで、鏡の前で新しい自分を観察した。
「おお、自分で言うのもなんだが結構可愛いな。惚れちまいそうだ」
白い肌に紅い唇。眼はぱっちり大きくて鼻筋がすらりと通ってる。大きくはないが小さくもない形の整った乳房。締まったウェストと、引き締まったヒップ
。腰まで届く黒く長い髪の毛のお陰か、おとなしいイメージの女の子。
「フリフリ付いたワンピース着たら似合いそうだな」
鏡に映る女の子に話し掛ける。
「っと、早くシャワー浴びなきゃな。買うもん買ったら今日は知でもからかってみるか」
そんなことを考えながら、俺はシャワーを浴びた。