学食でのガールズトーク3
昼下がりの学食。トレーの上には冷めかけの唐揚げ定食と、もう温度なんか関係ないくらい熱を帯びた女子ふたりのトークが響いていた。
優花「で、朝はやっぱりペンペンで強制起床?」
美桜「そう。5発目で“うぅっ…”って目覚めて、お尻押さえながら“起きます!”って叫んでた(笑)」
優花「ぎゃはっ!!ほんと調教済みじゃん…!!」
美桜「遅刻はギリ回避。けど私はちゃんと宣告した。“今日帰ったら百叩きね”って」
優花「出た!判決通告!!(笑)」
美桜がスマホを取り出す。
美桜「で、さっき彼からこんなの来た」
(スマホを優花に見せる)
【彼氏】
「減刑って…ありませんか…?反省してるんです…。せめて50回とか…」
優花「おお〜〜きたきた(笑)まさかの情状酌量アピール」
美桜「もちろん即却下。“反省してないようなので、20回追加します”って返した」
優花「容赦ないなー!でも正しい」
美桜が画面をスクロールする。
美桜「で、その後にさらに追撃きたの」
(再び画面を見せる)
【彼氏】
「せめて…キリよく110回にできませんか?」
優花「ぶっはっはっはっ!!なにそれ!!キリのよさ基準で減らそうとすんな(笑)」
美桜「ね?苦し紛れすぎて逆に笑っちゃった」
美桜がスマホを置いた瞬間、優花がニヤニヤしながら口を開く。
優花「じゃあさ、**“キリよく200回にします”**って返せばいいじゃん」
美桜「えっ」
優花「“あなたがキリのよさを重視するなら、私もキリよくしてあげるね♡”って(笑)」
美桜「ちょっっっっ!!鬼か!!いや…それはそれでアリかも……!」
優花「でしょ!?もう素直にお仕置き受けとけばよかったと地獄を見せてあげなよ(笑)」
美桜「うわーそれ送ったら、ほんとに泣くかも…
いや、でも送るわ」
(カチカチとスマホを打つ)
【美桜】
「“キリよく”がご希望なら、200回でいいよ☺️」
優花「出たーーー!!!悪魔の返信!!
やばい、絶対スクショして保存しといて!!」
美桜「もちろん。“愛の制裁シリーズ”って名前のアルバムにまとめとく(笑)」
優花「シリーズ化されてるのおかしいから!!」
美桜「200回も叩けるかなー。でも許してあげなーい(笑)」
優花「ちょっとだけ同情するわ(笑)ごめんね。彼氏くん」
笑い声はどんどん大きくなり、まわりの席がチラチラとふたりを見始めていることにも気づかず、
制裁の回数だけがインフレの一途をたどっていた――。




