第1話 次元騒動の始まり
登場人物紹介
サユリ 次元捜査官。
明智桜子 ちろらし探偵社所長。
猫柳明美 通称ネコミ、超力探偵。
らっちーとバディ。
二階堂 通称シザー、博士の息子。
らっちー しゃべる犬、探偵犬。
一柳裕子 明智所長の元バディ。
加賀照美 シェフ探偵
二階堂博士 超常現象研究の第一人者。
シザーの父親。
*登場人物その他名称は全てフィクションです。
人類がパラレルワールドを管理する時代。
次元転移装置の開発により別の世界に行くことが出来るようになった。
しかし、別世界で悪事を働く犯罪者が現れ、それを取り締まる次元捜査庁が設立された。
「本日付で次元捜査官に任命されたサユリと申します。」
「サユリ君、早速だが任務に就いてもらう。」
「はい、どの地点でしょうか。」
「ここに資料をまとめておいた。転移装置で準備をしてくれ。」
「了解しました。では長官、任務に就きます。」
転移装置が作動して別世界に移動だ。
らっちーと鹿が球体の中に入って行く。
らっちー大丈夫かな?とか思ってたら2匹とも出て来た。
『多分コアだと思うもんに付けたぞ。』
こんな時だけど、何からっちーらしい。
博士が見ているモニターに何か映った。
「これじゃな。」
「博士これがコアなんですか?」
箱みたいな物が見える。その周りに雲状の異変がまとわりついてる。
「シザーさん!」
「ネコミ、コア周辺は俺が蹴散らすから、お前はコアを圧縮破壊しろ!」
シザーさんは球体に近づき、機械を振り回す。
球体の中心付近が明るくなり、真ん中にコアが見えた。
アレだ!頭にコアの箱を圧縮するイメージを思い描く。瞬間真ん中が眩しく光る。
「あれ?何か箱を圧縮出来ない!」
「おい、ネコミどうした。」
「ネコミさん、シザーさん、気をつけて!」
「あっ、あなたは?」
「私は次元捜査官のサユリ。本来あの箱は圧縮されて消えるはずでした。」
「そうよね。何となく違和感を感じるわね。」
「明智所長、どうすれば?」
「皆さん、落ち着いて聞いて下さい。あの事象は次元犯罪者が関係しています。」
『次元犯罪者って誰じゃ?』
「本来、この世界にはいない者です。私の任務はその者を捕らえ元の世界に戻すことです。」
「どうやってそいつを捕まえるんだ。」
「シザーさん、こちらの装置をあなたの機械に装着して下さい。」
「これは?」
「まあ次元犯罪者を見つけるような装置ですよ。」
「よし、着けたぞ。」
「皆さん、少し離れて下さい!」
サユリさんが何か操作してる。
あっ、異変中央の横に誰かいる。
「あの異変中央の横にいる人は?」
「あれが次元犯罪者です。あの者がネコミさんの能力を妨害しているんです。」
『どうやってやっつけるんじゃ。』
「言って聞く相手ではありません。実力行使で制圧します。」
何かサユリさん、武器みたいなもの出したよ。
「それで倒すんやな。」
「照美さん、危険ですから離れて下さい。」
博士が何か言いたそう。
「捜査官殿、異変に近づけば我々は大変な状態になってしまう。機械で弱めることしか出来ん。らっちーや鹿は異変を受けておるが、それでも長時間は危険なのじゃが。」
「私達は様々な次元トラブルを解決する為特殊スーツを着ています。これは次元犯罪者も同様です。」
「つまり、そのスーツがあるから異変の中でもいられるってこと?」
「ネコミさんの言う通りです。」
サユリさん準備出来たみたい。
「それでは皆さん、これより次元犯罪者の捕縛又は処理を執行します。くれぐれも危険ですから近づかないで下さい。」
「分かりました。よろしくお願いします。」
「それとネコミさん。」
「何ですか?」
「私が次元犯罪者を対処出来れば、あなたの能力が使えるようになります。その時は箱を圧縮して下さい。異変は消滅します。」
「分かりました。」
「それでは皆さんはこちらで待機していて下さい。」
サユリさんは異変のなかに向かった。
異変中央にはスーツの男がいた。
「あなた、次元犯罪者ね。」
「ほう、次元捜査官か。早いな。」
「何でこのようなことをしているの。」
「あのお方の指示さ。」
「誰よ、あのお方って。」
「お前に教える訳なかろう。」
「目的は何よ。」
「あのお方が成し遂げる崇高な目的だ。私ら現場のエージェントが知るはずもない。」
「話はこれまでね。大人しく縛に付きなさい。」
「こんな所で捕縛される私だと思うか。」
「どうやら実力行使しないと分からないようね。」
武器を構えるサユリ。
相手も何か構えた。
「次元保安条項第3条に基づき、あなたを捕縛します。」
「そう簡単に捕まるかよ。」
お互いに武器で戦う2人。
隙をついてサユリさんが犯罪者を捕らえた。
「くっ、やるな。だが、まだまだだ。」
犯罪者の周りの空間が歪む。
やがてその姿は消えた。
「次元転移したようですね。ここは一旦戻りましょうか。」
「あっ、サユリさん出て来たよ。」
『ヤツをやっつけたんじゃな。』
「よし、ネコミ、今がチャンスだ。」
箱を圧縮するイメージを頭に描いた!
異変の光はおさまり、平穏な森に戻った。
これでらっちーとも話せなくなっちゃうね。
「あの、らっちーさん、これ着けて下さい。」
『何じゃこれ?』
「あれ、らっちー、異変無くなったのにしゃべれるよ。」
『ホントじゃ、何でじゃ?』
「異変のかけらを着けました。保護フィルターで巻いてありますから安心して下さい。」
「サユリさん、多少のアクシデントはありましたが、これで異変の件は解決したのよね。」
「明智所長、ご心配には及びません。このエリアは保護フィールドを展開しますから、二度と犯罪者によって荒らされることはありません。」
「ありがとうサユリさん。」
「サユリ君、応答したまえ。」
「長官、こちらサユリ。どうしましたか。」
「先程の次元犯罪者、まだその次元にいるぞ。しかも少し未来だ。」
「了解しました。引き続き任務を遂行します。」
「資料は転送した。この後次元転移を行う。」
第2話 予告
次元犯罪者は別時間に移動した。
奴らの目的は何か、サユリは捕縛することは出来るか。
次回 「迷探偵コンビ再び」
新シリーズ開幕しました。
まずは元祖ちろらし探偵社の面々の登場回です。
らっちーしゃべれるようにとのご要望?にお答えし、ラストエピソードに変化が...。
それでは次回またお会いしましょう。