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ストーリーブック 

ストーリーブック

ハイブリッド・ピースファンド

― お金が“戦争”じゃなく“平和”を育てる時代へ ―

【第1章:問いの始まり】


「戦争は、なぜなくならないのか?」


ある年、年金ファンドの運用会議で、ひとりの年配投資家がつぶやいた。


「私たちは、誰かが苦しむことで利益を得ているのかもしれない」

「武器メーカーに投資したことで、配当が上がったと喜んでいた…」


その空気を変えたのは、若手の女性アナリストだった。


「逆を考えてみませんか?

“平和になるほどリターンが増える仕組み”があったら、世界は変わるかもしれません」


【第2章:逆転の発想】


「平和に投資する仕組みを、つくろう」


そうして生まれたのが、ハイブリッド・ピースファンド。

このファンドはただの“社会貢献”ではない。

**「リターンと平和が連動する」**ことを、構造として組み込んでいる。


具体的には3つの柱がある。

  ① 技術の転用


元軍需企業が、戦争用だった技術を民間の平和利用に変える。


ドローン → 災害救助や農業管理


通信技術 → 遠隔医療や教育支援


軍用衛星 → 気候変動のモニタリング


あるエンジニアはこう語った。


「爆弾を載せる技術で、命を救えるなんて思ってなかった」

「使い方を変えれば、同じ技術が希望になるんだ」


② 投資家への報酬構造


このファンドのすごいところは、平和が進むほどお金が増えるという点。


紛争が減ると利回りが上がる「平和債券」


社会インパクトで企業評価が上がる「スタートアップ株」


紛争リスクが下がるとボーナスが出る「平和インフラ株」


つまり、**「戦争がないほど儲かる」**という仕組みにした。

③ 紛争リスクをスコア化(CDI)


でも、どうやって「平和の進み具合」を判断するのか?


そこで導入されたのが、**CDI(紛争度指数)**という指標。


武力衝突の数


難民の増減


治安の悪化率 など


これらを年ごとに点数化し、“平和の進捗”を数字で測るようにした。

【第3章:ひとつの再会】


ファンドが動き出して3年目。

アフリカ某国で農村支援を続けるNGOの青年が、感謝の言葉を送ってきた。


「昔、爆撃された土地で、今はピースドローンが作物の成長を見守ってます」

「“命を奪う技術”が、“命を育てる道具”になったんです」


それを聞いた、あの年配投資家は静かに言った。


「あのときの“問い”は、やっぱり意味があった」


【第4章:平和経済という選択】


今、このファンドには世界中から資金が集まっている。

エシカル投資家も、年金ファンドも、退役軍人までもが参加している。


なぜか?


「武器で平和を作る」時代ではなく、

「経済で平和を選ぶ」時代が始まっているから。


最後に:これは“希望への投資”


平和は、願うだけでは実現しない。

だが「構造を変える」ことで、**平和が“得になる世界”**はつくれる。


ハイブリッド・ピースファンドは、その未来を照らす光だ。

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