【目覚め】
気がつくと、戦場にいた。どうして私はここにいるのだろうか。確か私は、ーーーーに居たはずでは?そんなことを考えていると
ズサ、、後ろから音がした。
「主様、第十三隊が倒されました。もうここは駄目です。おじょぅ、、主様、、私と、一緒に逃げましょう、、、あなたの役の代わりは、、何人も居ます、、!だから、、、」
ルルカか。なんだか安心した。役?ってのは何か知らないが、代わりがいるならいいだろう。だが私の口は意図もせず開いた。
「だめだ。だめだだめだだめだ。ここを絶対に動くなと言われている。お前も、持ち場に戻れ。」
何故だ。私は、こう思っていない、だが口を開こうとも開けない。まるで自分の体ではないかのように。
「、、、、、は,い、」
あぁ、そんな顔しないで。どうして、どうして。涙で視界が霞む。なんで、溢れそうになる涙を拭き取るために手をあげようとした、だがそれはできなかった。どうやら腕を縛られているようだ。するとよく響く声が聞こえた。
「帝国を裏切った魔女イルカ・メモリーゴートよ」
裏切った?何を言ってるのだろうか。私が裏切るわけないだろう。
「魔女イルカよ。なにか弁明はあるか?」
掠れ、掠れになった声で私は答えた。
「わ、わ、たし、、はやってません、、」
裏切り者め、嘘つき者め、そんな罵声が聞こえ、石が投げられる。痛い。
「それでは、魔女イルカ・メモリーゴートの処刑を始める」
パチパチと弾ける炎が近づく。嫌だ、嫌だ、嫌だ!!あぁ熱い熱い熱い。涙が溢れる。
どこを間違えただろうか。私が何をしたというのか。ルルカは無事だろうか。酷いことをされていないだろうか。あの小僧は今何をしているだろうか。
少し意識が覚醒する。まわりを見渡そうとするが動けない。いや動かない。私はどうしてしまったのだろうか。
一体いつぐらい経っただろうか。サク、サク、誰かが歩く音が聞こえる。どうやらこちらに近づいているようだ。誰だろうか。メイド服を着た、白銀の髪のルルカだ。ルルカは何かを喋っているが聞き取れないまるでノイズが混じっているようだ。
「ーかっーの、信ーが。」
そう言いやがてそのノイズは嗚咽混じりの謝罪とかした。
「ご、ごめ、、んっ、わからなくてごめん、しらなくてごめん、なんで、、なんで」
「泣かないで、、お願い、」
涙で視界が霞む。頭がぼんやりとしていく。どうして、どうしてーー
目が覚める。随分と昔の夢を見た気がする。今はいつだろう。結構眠っていた気がする。
まわりを見渡す。どうやらここは誰かの部屋のようだ。まぁ部屋を貸してくれる時点で察しはつくけど。どうせ生命の女神フランチェだろう。あの人は優しいからな。
そんなことを思っていると、部屋の外から、ドタバタと聞こえる、誰か来たのだろうか。
「イルカ!!起きてる?」
「主様、、!!」
入ってきたのは、フランチェ様とルルカだった。
「やっぱり起きてる!!聞こえるか、神々、大至急集合しろ!!場所は私の家だ!」
「主様、、、、!!おはようございます、、!!」
「あぁ、おはよう。どうしたのだ?何故皆集合する必要があるのか?」
「あんたねぇ!5000年も寝てたんだよ!」
「っへ?」