【夢見】
「イルカ・メモリーゴートは天才だ。」
誰かがそう言った。幼い頃から上級魔術を使用し、13歳になる頃には全ての魔術を使うことができた。その域は神に経ていた。皆、イルカを頼った。
「イルカ・メモリーゴートは美麗だ。」
誰かがそう言った。まるでキラキラと輝く星空のような藍色の髪に全てを見通すような深海の碧。イルカが居れば国一つ傾けることは容易いだろう。皆、イルカを観て息を呑んだ。
「イルカ・メモリーゴートは全てが揃っている。」
誰かがそう言った。美しい顔立ちに頭脳明晰。でも何かが足りなかった。感情?愛情?温情?イルカには人間らしさが欠けていた。
ある日イルカ・メモリーゴートは子供と歩いていた。
その子供名前は何だっただろうか?人に興味がないイルカは覚えていなかった。名前なんぞ覚えていなくともどうにかなったからだ。ただ偉い人の子供ということは覚えていた。イルカはその子供の護衛をしていた。
「おい、小僧。あれはなんぞや?」
「護衛対象なんでそろそろ名前覚えてくださいよ、、俺にはーーーって名前があるんですから、あとそれはマフィンすっよ、知らn、」
「ルルカ、あれを買ってこい。2つだ。」
「了解しました。お嬢様。」
「、、、話、塞がないでくださいよ、、」
彼女はルルカ。白銀の髪にメイド服を身に着けた猫又の使い魔だ。さすがにイルカは使い魔の名前は覚えていた。
「お嬢様、マフィンです。出来立てでお熱いので気をつけて食べてください。」
「おぉ、ありがとうな、ルルカ、、、これ一つルルカが食べろ。御駄賃だ。」
「、//ありがとう、、ございます、、」
ルルカの頬がほんのり桜色に染まった。
「えぇ、、何見せられてるんすか、、てか俺にくれないんですか?護衛対象すっよ」
「なんで、お前にあげないといけない?、小僧、お前はなんにも働いていないだろ。働く者には労え、誰かの言葉じゃ。」
「だから、私にはお嬢様に労ってもらう義務があるんです。」
「まぁそろそろベタベタ触るのはやめてくれ。後ろ、分かるか?4人、気づかれずにやるぞ、一応護衛してるんだからな。まぁこんなの私の出るまでもないし、、ルルカ、いけ」
「了解しました、お嬢様」
「それじゃあ、小僧帰るぞ。」
「えぇ、待ってくださいよ、ちょ、足、、早。」