七つ都市シリーズ 第三作 商業の都市 誰も見ぬ大地を目指す男達の物語
プロローグ
俺は望んで社長になったわけじゃない、ただオヤジが旅立ったあと、仲間や知り合い達のみんなはへこんでいるばっかりだし、ネガティブなことばっか言うようになっているから、自分は仲間を安心させようとしているだけだ。
「まさか親父の旅立ちがこんなに心にくるなんで。」
グラスにあった度数の少ない酒を少し飲んだ。
「社長になんでりたくなかった……。」
酒場のカンターの隅っこで一人丸い椅子の上で落ち込んでいる青年は（社長）だ。
彼は彼の父は傭兵会社を継いた。最初のごろは拒否したが、その後このことは父が残した遺書の中身の一つなのだと知った後、渋々会社を継いだ。会社はさほど緊迫していなかった、人材も足りていたし、新人の育成もしていた。
この会社の傭兵の仕事は主に“嵐”を突破する、船から魔物守る、敵対関係の会社を攻撃したりする。みんなは嵐の外を知りたがっていた、だがらみんなは憧れと冒険精神を持ってこの会社に就職する。そしてみんなは父に憧れでこの会社に入った、自分にそれができるのか不安だった、けれど彼は皆から期待の視線は気にしていなかった。
青年はグラスの中に残った少ない酒を飲み干し、店員を呼び、胸ポケットがら財布を取り出し、数枚の硬貨と表面には数字の10と書かれた紙幣を渡す。
（社長）は酒場を出る、騒がしい店の中多くの人の視線は（社長）に向けられた、それは期待の視線だった。それもそのはず、メーヨベネファウの海運を握る一大傭兵部隊（父親）を率いる（父親）の息子であり、期待の眼差しが多く向けられた。けれどそれは（社長）は気にも留めなかった、それは落ち込んでいるのでなく、彼こそこの会社の相続人に相応しいと感じているが、父親の他界はそれを上回った。
夜の街に出て少し歩いた後、彼は用事を思い出し、自分の会社に向かう。
道そばにある高級車が止めてあった、
（社長）はその車に向かい、窓を少し叩く、中の人が気付き車窓をゆっくりと開ける、
「本社で頼む。」
（社長）そう言って、その高級車に乗る。
「わかりました、坊ちゃん」
そう返事した後、車は走り出す。
本来（社長）は坊ちゃんと呼ばれたくないが今は黙っている。
（社長）は車に乗る時ふっと副座席に目にする、そこには本来いつもいる父親姿はなく濡れたハンカチを見る、自分は一人じゃないと彼気づいた。
高級車の運転手は（社長）の専用運転手だ、履歴は長く（社長の親父）の前までこの会社で働いた老兵だ。（親父）の時代で共に戦ったひとでもあった、けれど今は体力が落ちて運転手としてこの会社を支えている。
（社長）は顔を車窓にくっつきながらいつも見ない夜景を見る。
「大丈夫ですか、坊ちゃん。」
心配そうに（社長）伺う。（社長）はいつも移動中暇の時に（運転手）に喋りかけでくる、親父が居なくなったことに落ち込んでいる、傭兵事業は危険で、他界しやすい仕事だ、そんな中で仕事する人は死を悲しまなくなる人の方が多い。
「大丈夫……。」
（社長）の答える声は震えていて、声が小さかった。
「らしくないっ。坊ちゃんは自分こそこの会社を継ぐに相応しいと（父親）とわたくしの前で言ってくださったのでわございませんか。」
（運転手）はルームミラーを見る、坊ちゃんのまぶたからこぼれる涙はもう消えた。
「社長のような立場でこんなに凹んでな先が思いさられるぞ。」
（運転手）は坊ちゃんを励ますように言った。
（運転手）には息子はいない、けれど彼は（社長）をまるで自分の息子のように扱っていた。傭兵事業は女性が少ない、しかもいつ命が失うかわからない、結婚する人の方が少ない。
彼の若い頃にいつもそろそろ結婚とか考えた方がいいと皆が言ってきたが、彼は孤独を感じたことがないといつも誤魔化してきた。でも彼は仲間が先に旅立って欲しくないといいつも思っていた。
病院のベッドで横たわる（親父）を見て、彼が見舞いに行く際、いつも泣いていた、誰よりも。それもそのはず彼にとって（親父）は最後の戦友だからだ。
〇〇社の前で車が止まった、（社長）は車のドアを開けようとしたが、いきなり（船長）に思いっきりドアを開けて中にいた（社長）の胸ぐらを捕まえる。（社長）は抵抗はしなかった、ただ自分が怒鳴られるのを受け入れていた。そしてそのまま（社長）は車に押しつけられた。
彼は（社長）の昔からの親友であり、苦難を共にした戦友であり、〇〇社の同期でもあり、共に栄光ある13期の卒業生だ。
そして良きライバルの（船長）だ。
「お前！何やってだ。（親父）が旅立ってこっちはごたこだしてるのに、何呑気に酒を嗜んでるのだよ。」
（船長）は感情を昂らせ、息を切らしながら、涙を堪えて叫ぶ。周りは止めたりしない、無責任や無関係ではなく、二人は絶対に殴り合わないと言う誓いをしていたからだ。この誓いは周りに知れ渡ったていた、たとえ相手に負けむかついていても、間違えて相手のデザートを食べていても、二人は手を出すことはなかった。
「お前は言ったじゃないか、酒なんて二度と飲まないで！」
（船長）は胸ぐらをきつく掴んだ、
「お前は言ったことはきちんと実行する人だろ！なんで破っただよ…。」
「違うんだ、（船長）、これは違うんだ、俺はだった……、だった気持ちの整理ができていなくて、それで……、」
（社長）は声を絞り出す、
「もういい、お前は約束も守れない奴だってわかったよ。俺はしばらくお前の顔を見たくない。」
そう言って胸ぐらを掴んだ手を離し、（社長）をどかし、車の中に乗り込んでドアを強く閉めた。
そして嵐の静けさだけがそこに残った。
“嵐”
それはソラノクジラは魔力を使い空を泳ぎ、約三十個魔力の源を食べることで、永遠と泳ぎ続けることで竜巻が大陸を沿うように円形状に出来たのが“嵐”である。
クジラは嵐の内側を外側の高い魔力汚染から守っていた。だが長い年月が過ぎ、人々はそれを当たり前の光景として感じる始まるた。
けれど、長きに渡る魔力の源がらの魔力の噴出は徐々に衰えていった、そしてクジラは飛ぶことがいよいよ出来なくなってきた。
「ピュウ、ピュウ、ピュウ。」
その巨大な体は南の大海に落ちる。
ソラノクジラの周りには空飛ぶ無数の光る小さな魚が群れをなす、クジラの空を泳ぐ魔力を借りながら、三十個の魔力の源を目指し永遠に飛び続ける。クジラの周りに小さな光があるそれはホシノサメ、彼らはクジラが魔法の源を捕食する際一緒に捕食する生き物であり、クジラの黒い肌と小さく光るホシノサメは美しい宇宙の光景を映し出す。
昔、この世界は魔力汚染が蔓延していった、故郷を失い、安定の地を目指す人々で溢れていた。そして“ソラノクジラ”が作り出す楽園は多く異民族たちを招くことになる、民族の大移動である、これにより内側に存在していた古き帝国は崩壊した。けれどそれは新しい形式の国家を作る事に繋がった、“魔導帝国”人達は新しい国のことをそう呼ぶ。
アレグランダー・エべラートそれは初代魔導帝国の皇帝てあった。若くして即位した彼は白銀のような短髪でありながら、服には黄金の飾りが施されていて、身長高く肉体は頑丈、彼が発する声は力強くはっきりとしていた。
二度の大遠征を成したのち七つの都市を築いた、彼は多くの異種族が溢れ出すこの大陸でみんなを平等に接するように七つの都市を築いた、けれどこの理由をあんまり話さなかった妻であるエルフの女性（女性の名前）たけにこのことを話したという。
皇帝は七つの都市にそれらの専門の権力を与えた。皇帝は残りの半生はウィーセンブルクとヘクスハーウで帝国を繁栄に導いた。
七つ都市それの歴史は古く初代魔導皇帝の二度の大遠征の後の産物、
新しい帝都 ウィーセンブルク
学業の都市 シュウラフィ
芸術の都市 ルネサンドーラン
商業の都市 メーヨベネファウ
工業の都市 ルーペア
魔術の都市 ヘクスハーウ
信仰の都市 エルサディア
七つの都市では、種族、宗教の自由、そして各都市に七つの専門の自由があった。
そして時がたち皇帝の死後、都市の管理は皇族に任されたことになるが皇族たちは利益を追い求め、帝国人を優遇するのかの問題が戦争になるまで発展した。
大陸には多くの種族が住んでいた、この問題に介入した、人間と六つの種族がバンビリトの戦いをえで六つの種族が勝利し、精霊、竜人、魚人、ドワーフ、エルフ、獣人は帝都以外の六つの都市の監督となった。
監督は都市の管理、権限の制定、廃止などのことを任された重要な役職だった。けれどもっとも重要な役職は帝国議会だろ、初代魔法帝は必ずしも優秀は皇帝が即位するわけではないことを予知していたため、それを補佐するための議会、帝国議会を設立した。
議会の設立は後期帝国を助けた、〇〇の大反乱、〇〇危機、〇〇の大移動、多くの脅威がら帝国を守った。それゆえ後世の人々はこう語る、帝国議会がなければ帝国は四百年続かなかっただろう。
