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第九話 二日目 池崎と桜間

─────僕は池崎を探しに外に出た。

俺の名前は――池崎 拓真(いけざき  たくま)


人生ってやつはいつでもイージーモードだった。


あいつが来る時までは…



<><><>


『こいつじゃない…こいつでもない…』


<><><>




俺は、何でもできた。運動も、勉強も、権力だってあった。


女子なんかすぐに群がってきて、嫌いな奴はすぐにクラスから抜けものにできたし、欲しい物は全て奪い取った。


中三の卒業直後、二クラスの分の女子に告られた。全部振ったけど。


なぜ振ったのか、


それは、昔から女が嫌いだからだよ!!!


あの高い声を聞くだけで耳が痛くなるし、変な匂いが充満してて、前髪なんてカッチカッチに固めて本物のバーコードじゃんwキラキラなラメを顔面に塗りたくりすぎて、もう顔面ミラーボールww


口には出さないが本心ずっとこれだった。


だが、そんな俺を変えた出来事が起こった。


高校の入学式。


俺は()()()に出会ったんだ。




<><><>


『どこだ池崎…あぁ早く殺してやりたい…』


<><><>




『なんだと?』


あの光景を見たとき思わず口が開いた。


女どもが俺に見向きもせずに、別の誰かに群がっている。


一体誰に……!!


女子『キャァーー!!!桜間様よぉーー!!!』


桜間“様”…?


俺は、俺以外に権力を持っているやつがいると頭の中が劣等感でいっぱいになる。

桜間様?そんな奴俺になんか及ばないに決まってる!そうだ、あの群れの中に入って俺様の存在を見せつけてやろう。どんな表情するか楽しみだ。


『やぁ、君は桜間くんというのかい?』


女子「ねぇ!ちょっとあのも人イケメンじゃない??」


ほらな、桜間なんて俺以下なのさ。


女子「そうだけど、桜間様と比べたら全然じゃない?」


なっ……なんだと!!!これだがら見る目のない女は嫌いだ!!いったいどんな顔してんだ!!


俺は、群がる女子たちが避けていく隙間から桜間の顔を見た。


『////!!!!』


紺色の髪の毛、薄いベージュ色の瞳。肌はサラサラしていて、俺でも惚れてしまいそうなくらいのイケメンだった。


桜間は微笑んで言った。


桜間『なんだ?』


高くもなく低すぎもない透き通った声に思わず息を飲んだ。


池崎『はっ!』


我に返った。俺とは桁違いの美形な顔…こいつに俺は負けたのか?人生で初めての敗北感だった。


<><><>


『ここの家か?』


<><><>


それからというもの、俺はずっと一方的に奴と競い合った。


勉強、運動、権力。


今まで武器にしてきたものが、奴の前では無力だった。


俺は女が嫌いだが、奴に勝つためならと、必死にモテようとした。

だが、負けた。


ずっと俺は2位…嫌だ!!くそッ!!なんでだよ!!


そんなある日俺は負けを認めた。


桜間『俺のグループに入らないか?池崎。』


池崎『誰がお前なんかのグループに!!!』


桜間『では、ゲームをしよう。もし、俺が勝ったらお前は負けを認め、俺のグループに入れ。』


池崎『ゲーム…?』


桜間『トランプを使うゲームなら何でもいい。お前が決めてくれ』


池崎『もしお前が負けたら?』


桜間『これからのテストや、運動系の大会をサボろう。そうすれば、俺は成績ガタ落ちで晴れてお前がなんでも一番になる。お前の望む格好で登校したっていいぞ。』


池崎『それは名案だ!!では、ここは“ババ抜き”でどうだ。』


桜間『ババ抜きか。子供らしいものを選んだな。いいぞ、だが、ワンセットのトランプだと面白くない。

だから、スリーセットでどうだ?』


池崎『何とでも言え、お前も中々狂ってんじゃねぇか。いつもの王子様キャラはどうした?』


桜間『では、池崎。お前が配れ』


桜間はとてつもないスピードで俺の手札からババ以外のカードを抜き取った。


池崎『はぁ!?お前ずるしてね!?』


桜間『池崎の表情が分かりやすいだけだよw』


池崎『え、まじで?』


桜間との時間は楽しかった。今まで抱いていた劣等感や嫌悪感はどこかへ溶けてしまった。


桜間『後二枚だな…』


池崎『ひくぞ…』


これでそろえば俺の勝ち。そろわなければ桜間の勝ち…


はぁーー!!!



“ジョーカー”


池崎『くそがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』


桜間『ハハハハっ俺の勝ちだな』


そう言って桜間はすんなりジョーカーではない方を抜き取った。


桜間『じゃあ…どうしよっかな♪』


池崎『くっ』


桜間『ごめんなさいして?』


池崎『…ごめんなさい』





こうして、俺は“桜間 美斗(さくらま  はると)”に負けを認め、グループに入った。








<><><>


『いた。あれが池崎のミラー住人か…』


<><><>









─────現在


池崎『なぁ、桜間。こうして思い出してみると懐かしいな…!』


桜間『あぁ、お前入学式のときそんなこと思ってたのかよ!』


池崎がニコニコしながら、昔の話をしてきた。

昔から池崎のその笑顔が好きだった。


池崎『今日、ババ抜きやっちゃう??』


桜間『何賭ける??w』


本当に俺は良い友達ができた。これからも池崎とずっとババ抜きをしていたい。


池崎『なぁ…桜間。霧島死んじまったけどよ…これからもずっと大親友でいような!!!!アッ』




















グシャァァァァァァァァァァァァア!!!!!!

























桜間『いけ…ざき…?』









このお話が初投稿でして、よく分からないことが多いです。そのため、誤字や脱字がありましたら、教えていただけると幸いです。レビューも宜しくお願い致します。

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