第三話 管理人
─────曇り空。
ここは永遠に太陽が昇らない。何故ならお互いを破壊してしまうから…
管理人『私からも質問していいかな??何故ここの世界が「外」から見えた??』
『しっ…知りません!!!いきなり鏡の中にここが映ったんです!!!』
管理人は、頬杖をつきながら眉をしかめた。
管理人『……』
何やら管理人は深く考えていた。何か重要なことを選択しているように。
管理人『よしっ!!じゃあ君は今日からここに住まないか??』
はぁ!!??こんな不気味な場所に!!??まだ心霊スポットのトンネルで住んだほうがマシだ。
『遠慮しときます…』
管理人『遠慮せずに!!さぁさぁこちらへ!!大きな大きなミラーハウスですよ!!!』
ちょ……無理矢理背中を押されて、ある一軒の家にたどり着いた。
管理人『ここはいいですよ~。ここの家の前の道路にはよく……』
あなたを虐めた方々がお通りになるのです。─────
………!?
管理人はそっと肩に手を添えて囁いた。一瞬で僕の背中は、冷や汗でいっぱいになった。
こいつは何を言っているんだ…。僕に人殺しになれなんていってるようなものじゃないか……!!
『やめろ!!!』
⦅バシッ!!⦆
僕は、管理人の手を勢い良くはたきおとした。その瞬間。管理人の口角がニタッと上がった。その顔は、18年間生きてきた中で一番恐ろしいものだった。
管理人『いずれ、君もこの“ハッピーミラーワールド”の良さが分かるさ!!!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ』
……気持ち悪い!!!!!!!!!!!!僕は、家の中に飛び込んだ。すぐに鍵をかけ、部屋の隅で頭を抱えた。外からまだあの不気味な管理人の笑い声が聞こえてくる。
アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ─────
『やめろ!!!やめろ!!!やめろ!!!やめろ!!!僕は人なんか殺さないぃ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁ……あぁ』
涙が勢い良く流れた。どうして僕はいつもこうなんだ。学校では嫌われて、毎日毎日殴られたり、蹴られたり!!それなのに、いきなりこんな場所連れてこられて……!!!どうして僕の人生はこんなにも無茶苦茶なんだ…!!!!ぁぁぁぁ……あぁぁぁ…
一向に涙は止まらない。エリカもきっと……僕のことを厄介に思っているに違いない…。あんなに迷惑をかけて、…こんな容赦の奴が幼馴染なんて嫌に決まってる。ここの世界で孤独に生きたほうが、みんなにとっていいのかな……
ふと、あの気味の悪い笑い声が止んだ。覗き穴から外を覗いたが、もうそこには誰も居なかった。
一安心して壁にもたれ掛かった時だった。
?『………早く現実世界へ戻りなさい』
優しい声が壁から聞こえた。