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第二話 ここは真実だけを映す鏡の世界

???『ようこそ!!!ハッピーミラーワールドへ!!!』


誰かの声で目を覚ました。ここは……どこだろうか。僕は座り込みながら思い出す。たしか、鏡に突如不気味な住宅街が映り込んで……何か優しい声がして…気がついたらここに……


『って、えええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!??????????』


周りをすぐさま見渡した。そこは鏡…鏡…鏡…、鏡だらけの住宅街は近くで見るとさらに不気味だった。


⦅カ゚ヂャカ゚ヂャ⦆


!?……三角形と四角形の「鏡」で複雑に形づくられた人間?みたいなものが、すぐ横を通り過ぎた。

なんだここ……気味が悪い。その鏡人間の顔らしき部分には、どこから映っているのか分からないが、目や、口がしっかりと反射されている。


???『おーい?おきてるー??』


『!?』


いつの間にか、座り込んだ僕の目の前に、普通そうではないが、ただの人間がしゃがみ込んでいた。


『あっあなたは誰ですか!!!?』


僕はびっくりして、とっさに聞いてしまった。よく顔をみると、若くも老いてもなく、中年くらいの男が立っていた。あごひげが生えていて、髪の毛はボサボサだった。そんな見た目をしていながら、きっちりとした紳士服を着ていた。男の薄暗い灰色の目は、どこか楽しそうなのだが、死んでいるような目だった。思わず鳥肌が立つ。


管理人『いい質問!!私はこのハッピーミラーワールドの管理人さ!!この世界は、君の心にもある“素の自分”が暮らす場所さ!!』


『素の自分?』


管理人『例えば、君は学校でいじめられていて、殴り返したい!とか、泣きたいとかの気持ちを隠すだろ??隠している方が今の君だとして、隠されている方の君はどこにいる??それは!!()()!!ハッピーミラーワールド!!ここには、全人類80億人、一人一人の素の自分がミラー住人として暮らしているのだ!!』


そんな世界なんて本でも、テレビ番組でも聞いたことない。今気がついたが、僕の足元の鏡がバキバキに割れている。もしかするとだが、この世界の鏡は普通の鏡の強度と変わらないんじゃないか?つまり、僕が少しでも住人を殴ったりしたら………ウッオェェ


管理人『体調でも悪いのかい??』


あんな不気味な鏡人間が粉々に割れるなんて考えたら吐き気がした。


管理人『ここのハッピーミラーワールドは、現実世界と繋がっていることがあるんだ!!それは…【死】だ。現実世界て死ねば、ここの住人も自動的に壊れる。絶対にないと思うが、ここの世界で壊れれば、現実世界で死ぬ。死に方を聞いてみたいかい??』


『いや……大丈夫です……』


僕がここの住人を壊したら、現実世界で、その人が死ぬ。実質、僕は人殺しになる。こんな繊細な世界に、僕みたいな人間が入ったら、世界中の人が命の危険にさらされているのと同じじゃないか!!!

ん?ちょっと待て……さっき僕がいじめられていたとか、泣きたいと思ってたことをなぜ、今日会ったばかりの男が知っているんだ??


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