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数字の見えるフットボーラー  〜世界一の選手を目指して〜  作者: シャーロック
第1章 U20ワールド杯カタール大会(95年)編
2/10

①U20ワールド杯 inカタール

@カタール ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム 6月

レオン・龍馬・エドワーズ 17歳 (U20代表・背番号[20])


 やってきたぜカタールッ!!!!


 そして俺の持ってる日本の記憶でも2022ワールド杯はカタール開催だった!!


 灼熱の国カタールだが、会場は冷房が効いていて選手達は体調管理が大変だったと噂のあの大会。


 しかぁーし!!!俺がいるこのスタジアムは記憶とちがぁーうッ!!


 2022大会が行われたハリーファ国際スタジアムは1995年現在、未完成!なんなら未着工だ。


 そのためジャシム・ビン・ハマド・スタジアムという長い名前のスタジアムを今大会では使用している。


 そしてイングランド代表は現在グループリーグを首位通過。明日から始まる16チームでのノックアウト方式の決勝トーナメントに備えている。


 チーム成績は3勝0敗。俺は2試合で左OMFとしてフル出場し、2A(アシスト)とまずまずの活躍だ。


 ちなみに日本代表も別グループで2位通過を決めており、順当に行けば準決勝(ベスト4)で対戦するはずだ。


 そんなこんなで明日はトーナメント戦初戦:対ガーナ代表なのだが、イングランド代表はスタメン組をターンオーバーのために休ませるつもりらしい。そのため俺は視察役ということで別グループのドイツ:スペイン戦に派遣されていた。



『明日はターンオーバーで先発じゃないとはいえ、控えとしてベンチにいるはずなんですけど、なーんで前日に客席で視察役なんですかねぇ〜』


『いいじゃないのレオンちゃんよぉ。つまりはビハインドとかやばい状況にならない限りは俺たちゃ明日出場しなくていいってことでしょぉ? 』


 頭の後ろで手を組んでダルそぉーに喋っているのはCBフューリー・ゴメスさんだ。


『とはいえドイツとスペインはどちらもグループ1.2位でトーナメント出場は確実だ。しっかり相手は確認しておくべきだぞ』


 ゴメスさんの横でしっかりカメラを回すのは右OMFを担うマルス・ガリアさん(エバートン・19歳・能力「79」)


『うちのポートやクリステンセン並みの奴がいたら要注意だけどなぁ。もしくはレオンちゃんみたいに若いのに選抜されてるヤツとか? 』


『ドイツには正直そこまで同世代でずば抜けた奴は居なそうだな』


『あー、ガリアさん? スペインの背番号[11]RWの映像撮っておいてください。なかなか凄そうな選手ですよ彼は……』


 俺が見つけたスペインRWの頭上の数字は「82」とウチのエース、クリステンセンさんと比べても遜色ない数字だった。


『おぉーホントだ。たしか、ラ・リーガのレアル・ベティス所属のロドリゲスだったかな? フル代表に選ばれるかもって言われてる若手のホープらしいね』


『ウチのレオンちゃんはやっぱり見る目があるねぇ。ちょぉーっと見ただけですぐにサッカーの力量がわかっちゃうんだな』


 いや、頭上に見える「数字」のおかげなんです!!


『あははッ……なんとなくわかるんですよ』


『そんでもってその上手いヤツのいいとこを盗んで自分も上手くなっちゃうんだから、さすがだよねぇ』


 いやいや……自分の才能がわからないので、とにかく上手い人のサッカーを見て自分もできるようにがむしゃらに努力するしかないんです!!


 自分で考えなくてもできちゃう天才はいいよなぁ……


『おい、お前ら喋ってばっかいないで少しは手伝ってくれ』


『さーせーんッ!』『すみません……』


 その後、試合はスペイン優位に進みRWロドリゲスが華麗なミドルシュートで前半1点。後半は単独突破からのアシスト献上でスペインが2-0とグループリーグ首位通過を決めた。


 この結果、イングランドは明日の試合で勝った場合、トーナメント第2戦(ベスト8)でスペインと当たることになりそうだった。


『ふぃ〜、疲れたなぁ。とりあえずデータは取れたからあとはコーチ陣に渡して、俺たちゃホテルに帰ろーぜー』


『ガリアさんもゴメスさんもお疲れ様でした。トーナメント第2戦には僕らも出るわけですから、いい参考になったんじゃないですかね』


『レオンの言うとおりだ。きっとスペインは初戦は勝って俺たちと当たるだろうからな。よし! 今日は早くホテルに戻ろう。明日はおそらく出番はないが、準備はしておいた方がいいだろう』


『ヒャッホーウ! 今日のメシはなぁにかなぁ? 』


『ゴメスはあのRWとマッチアップするかもしれないんだから少しはイメージ練習とかしとけよ?? 』


『わぁかってるよぉ。だがそんなことよりまずは今日のメシの方が重要だ!! さっさと帰ろうぜ』


 ちなみに、試合の最後の方はゴメスさんの方から『グゥーッ』という腹の音が聞こえてきていた。


『フフフッ。じゃあゴメスさんガリアさん! ホテルまで競争です!! レディ……ゴー!!! 行きましょ〜う! 』


 そう言うと、2人を置いて俺は先にホテルへ向かって走り出した。


『行くゾォ〜ふゅ〜!!! ほれほれ、ガリアもレオンに置いてかれるぞー』


 レオンに負けじとすぐに走り出したゴメスは、後ろに残ったガリアに叫んで猛然とレオンをおいかけたのだった。


『……ハァッ……俺だって夕飯楽しみなんだヨォぉぉ〜』


 最後尾に残されたガリアの呟きは夕焼けのカタールの街に吸い込まれていったのだった。



本日まとめて投稿されますのでよろしければ最後までどうぞ。

よろしければブックマーク・いいね・評価もよろしくお願い致します。


『数字の見えるフットボーラー(監督編)』共々、ご覧いただければ幸いです。

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