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それはお互い様

作者: 吉 和

婿入り先の家の乗っ取りではなく嫁入り先の家の乗っ取り、しかも公認ってどんなだろうと、ぼんやり考えただけなのでとっ散らかっています。

そして誤字と脱字さんはきっとたくさん存在してます。

それはお互い様ですよ

「親父が確認するなどと言うから仕方なく抱いただけだ!オレに愛されているなどと勘違いするなよ!」

「あら、当たり前じゃ無いですか。貴方のお父様が纏まった縁談に割り込んでまで結んだ婚姻でしてよ、愛などあるはずないですわ。貴方契約書読み込んでいませんのね」

「はっ?」


 苦々しく吐き捨てた、人を人とも思わない態度で犯した男を嗤う。

 何か勘違いしている、理解していない様子だとは思っていたが、全く理解していないなど。

 この度の婚姻は完全なる強要。

 纏まっていた婚約に割り込み、無理矢理結ばれたものだ。

 主家に当たる公爵様から是非にと頼み込まれお家のためとは言えども、納得できるものではなかったためにかなり無茶なことも言った。我が伯爵家が公爵家の分家の一つであり、三代おきくらいに婚姻を結んでいた事と祖母が公爵様の叔母であった事、我が家を母が継いでいた事もあり頭を下げられてしまっては、無茶な条件をねじ込むくらいしかできない。

 元の婚約者が公爵様の甥の一人であった事で通った無茶な条件。


「私が産んだ子供にのみ後継の権利を与えとする。私が子供を産まなかった場合は親族から養子を迎える」

「な、何を……」

「貴方の愛人の産んだ子供にはなんの権利も与えられません」

「馬鹿な事を言うな!」

「馬鹿なことではありませんよ。貴方自身も、私が子供を産むまでは何の権利も与えられないだけでなく、金銭的にも制限されたままです。私と結婚した事で一時金は与えられますが、貴方が思い描いていたような公爵家の後継としての権利も財産も使えませんよ」


 公爵家のただ一人の子息として大切に、それと同じくらいに厳しく教育されていたのに途中で変な女に次々と引っかかってしまい、それが様々な権利を与えられる前であったからこそ普通は持っているはずの個人財産すら無い事にも気がついていなかったのだろうか。

 無かったのでしょうね。

 公爵家の名を使えば多少の融通はされますでしょうし、相手のお嬢さんもこの人もモノの値段や価値を理解していないようでしたから。

 見た目だけ派手な安物と、物の価値を知らなければ地味に見える一級品の区別をつけられないと言う教育不足。一級品に囲まれているのに、安物を見慣れていないからか目先をくらまされてしまった事実。

 相手がこの公爵家に相応しくあろうと言った向上心は無く、金銭を使い買い漁る快楽に溺れている事もこの婚姻の理由の一つなのに。

 一番初めは家庭教師の一人、少年の初物食いを趣味としていた女。

それまで発覚しなかった手腕は流石と言えますが、公爵家の使用人達の目を掻い潜る事も誤魔化す事もできず今までの犯罪すら暴かれお家お取り潰しに。

 二番目は出入りの商人の娘。

 妾の子供でありましたが唯一の女児という事で引き取られ教育を受けている最中だった事もあり、性の快楽を知った彼に手込めにされ中途半端な教育故に暴走されてしまい遠方へ。

 彼女に関してはきっかけが彼であったので穏便に済ませていますね。

 お家へのお咎めもなく、療養地の紹介や賠償金の支払いもされています。

 相手のお嬢さんも彼から離れたことで馬鹿なまねをしたと理解してしまい、一時期は精神的に不安定だったそうですが今は良き相手と巡り会え婚姻を結んだとのこと。

 そして問題の三人目。

 現在のお相手。

 没落した男爵家のご息女と自称していますが、我が国にも近隣の国にも存在しないお家の名前を名乗り、寄生し搾取している。

 もう少しお勉強をしっかりしてくださっていたら、名前に不信を抱いたでしょうに……貴族の家名には規則性がありますから。

 かつて存在した大帝国の初代皇帝陛下は、今の時代の人間から見ても大変偉大で、かの時代に制定された度測量はもちろんのこと法の基礎や貴族の家名の法則など様々な国の根底が今も踏襲されています。

 貴族として当たり前の知識、それが旦那様には無いことが、身についていないことが哀れですが同情はできません。

そのとばっちりとも言える陰謀只中にいるのですから。


「結婚はしました。初夜もすみました。貴方は用済みですわ」


 強い言葉で拒絶する。

 哀れとは思いますが矯正される機会は何度もあり、それをことごとく無視してきたのは旦那様ですから。

 公爵家の唯一の子供、それなのに後続として認められていない、嫡男として披露されていないと言う現実を理解していましたら、少しは変わったでしょうに。

 喚き始めた旦那様を家人が連れ出す。

 乱れたシーツで隠すだけの私など目に入らぬような素早い動きで、隔離予定の部屋へと運んでいく。


「ご機嫌よう旦那様」


 もうお会いすることはないでしょう。



お嫁さんはいとこ違い。

お嫁さんの元の婚約者がいとこ。

どちらも身内。

公爵は一族から血縁のすり替えを探し出しました。

多分息子公爵の血を引いてない可能性がある?かな?とあんまりしっかり考えてませんが、多分そんな感じで届出上は孫に跡を継がせる予定なのだと。

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