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78.私からしたら重苦しくはない


執務室にこもり数時間。アリエスが朝食の時間前だと告げに来て、私はダイニングに再び来た。

そこにはすでにライラ達が席についており、私待ちの状態だったようだ。


ただ、料理はまだ持ってこられてはいない。……アリエスかバルナ辺りがスロウに話をつけて遅らせたのだな。

食事後に話すと、受け入れた後の気まずさがあるかもしれないという配慮からだろう。


まぁ、私はそれでもよいと思っていたのだがな。



「皆待たせてしまって申し訳ないが、少し話をさせてほしい」

「話?」

「…ロシュさん。それは、ゼイラルがこんな雰囲気なのが関係してるか?」



私の言葉にランスと反応示し、ジャルはゼイラルの醸し出される不安さを感じ取ったようだ。



「あぁ。だが、彼は少し重く考えすぎているだけだ」



ランスはそうなの?とい言いたげにジャルを見つめていたので、先に重い話ではないということを言っておく。…まぁ、私からしたら重くはないというだけだがな。



「内容はどんなものですか?」

「ゼイラルから聞いたが、私を強い男性と言っていたそうだな」

「はい…」

「言ったな」

「そのことに対して正させてほしい――」



2人は、なんのこと?と意味が分からなそうだが、ライラは気づいたようで少し気まずそうだ。



「私は男性ではなく女性だ」



2人は様々に驚きを表している。



驚きから先に復帰したのはランスだった。その後を追うようにジャルも復帰した。



「女性というのは本当…なんですよね?」

「あぁ。戸籍にもきちんと『女性』と記されている」

「だっ!だったらどうして今までっ!」



ジャルの方は衝撃が強かったのか椅子から立ち上がった。



「今まで言わなかったのか?といいたいのだろう?」

「あぁ!」

「服を脱ぐ行為がある場以外では、性別など必要ないと思っていたかったからだ。今は反省をした。だから2人にも性別を確定させたのだ」

「ゼイラルは知ってたのかよ!」

「いや。ゼイラルも今日知った。その経緯があり話すことにしたのだ」

「経緯?」

「何があったのかは食後に話そう。まずは私が女性だということを受け入れ冷静になる時間が必要だろう?」



私は扉の近くに控えていたアリエスに合図をすると、スロウが入ってくる。

その様子にジャルは不貞腐れたままだが、椅子に座り直した。……想像した反応より薄かったな。


それにゼイラルもランスもあまり喋らずだから、今どう思っているか分からない。ふむ。やはり食後にするべきだったのではないだろうか。



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