61.言い過ぎていた
ダイニングに入り、バルナが入れたスポーツドリンクを飲む、私とゼイラル。
「バルナ。他に起きているものはいるか?」
「スロウとスピオンが調理場と庭先にいます」
「分かった。ゼイラル。汗だくならば、風呂にでも入って来たらどうだ?」
額からは汗がうっすらと湿っているが、服に汗が張り付いていたなら、着心地は最悪だからな。
「…ではお言葉に甘えて」
「あとでサジリウスに替えの服などを持っていかせるが…替えはあるか?」
「あるので、大丈夫です」
「そうか。そのあと自室で休むのなら、朝食の時間に呼びに行かせる」
「はい」
ゼイラルはバルナに一言礼をいうと、ダイニングから去っていった。
「…彼に何をしたのですか?」
「ただ打ち稽古をしただけだが?」
バルナはゼイラルの気の落ちようが心配になったようだ。
「何か言ったのでは?」
「・・・見習い騎士だなとは言ったな」
「彼はまだ16才なのでしょう?言い過ぎですよ」
「・・・」
やはりか。
この国もゼイラルの国と同じく15才での成人だと記憶していたから、はっきりと濁さず言ったのだが……。言い過ぎだったか。
「頑張って王太子殿下の騎士になったであろう者に、『見習い騎士』というのはどうでしょうね」
「その頑張りには魔法の使用分も含まれていたのだろう?」
「異国ではそれが普通なのでしょう。この国とは違うのですよ、ロシュ様」
確かに魔法のないこの国と、魔法のある異国では武術の基準すら違うのか……。
私は剣術などの近接は魔法があったとしても関係ないと思っていた。剣術などは技術だ。魔法ではさすがに補えない。補えたとしても筋力くらいだろうと。
そういえば夜営で見たような魔法の雰囲気を先程のゼイラルからは感じなかったな。
「…後であったなら謝っておこう」
「えぇ。そうしてあげてください」
今度は魔法込みで相手をしてもらうか。それなら剣術の本当の実力が分かるだろう。
「執務室にこもる。朝食の時間になったら呼びに来てくれ」
「かしこまりました。お部屋のお掃除は完了していますが、今朝はまだお手紙は届いておりませんので、追加のお仕事はまだございません」
「分かった」
私は部屋よりも落ち着く執務室へと足を運んだ。
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1話の文面の一部を付け足し、削除をしました。




